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調査しても所有者が見つからない不動産も
人口減少、超高齢化が進む日本では、相続登記が数代に渡り行われていないなどの理由により、所有者が不明となったが公共事業や民間の事業を進めるにあたり支障をきたしたり、長期間放置され荒廃化したりと、問題が顕在化しています。
実は日本には土地の真の所有者を捕捉するシステムがありません。そのため所有者不明土地の全体像を示すデータは存在しないといわれています。いくつかの調査から、所有者不明土地の実情をみていきましょう。
2016年度に地籍調査を実施した563市区町村1,130地区の622,608筆について、不動産登記簿で土地所有者等の所在が確認できない土地は、全体の20.1%。地帯別にみると、林地が最も多く25.6%でした。
さらに地籍調査の実施主体である地方公共団体が追跡調査等を行い、最終的に土地所有者 等の所在が不明である土地は全体の0.41%となりました。これが最狭義の所有者不明土地と考えられます。
【地域調査(2016年)所在不明土地の割合】
全体:20.1%(0.41%)
都市部:14.5%(0.38%)
宅地:17.4%(0.14%)
農地:16.9%(0.34%)
林地:25.6%(0.57%)
出所:国土交通省『平成28年度地籍調査における土地所有等に関する調査』より
※(かっこ)内最終的に所在不明の割合
また国土交通省は同年地籍調査地区のサンプル15地区(13市町)において、不動産登記の最終登記からの経過年数と登記簿での土地所有者等の所在確認結果を突き合わせたところ、最終登記からの年数が長いほど、不動産登記簿で所有者が確認できない割合が高くなる傾向にあることが分かりました。
2017年に法務省が全国10ヵ所約10万筆の土地の所有権登記について、 最終登記からの経過年数を調査した結果、登記名義人が自然人であるもののうち、 最終登記から50年以上経過が大都市で6.6%、それ以外では26.6%、70年以上経過が大都市部で1.1%、それ以外で12.0%、90年以上経過が大都市で0.4%、それ以外で7.0%でした。
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