豪中銀は量的緩和終了を決定
政策金利は据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は2月1日の金融政策決定会合で、債券買入れプログラムについて2月10日の買入れをもって、さらなる買入れを停止すると決定しました。一方、翌日物金利の目標は0.1%を維持しました。
量的緩和の経済下支えを評価
政策金利の引き上げには慎重な姿勢
■声明文では、債券買入れプログラム終了の背景として、労働市場の力強い回復や、物価がRBAのインフレ目標(2~3%)に合致していること、他の中央銀行の量的緩和終了に向けた動き、などを挙げています。
■また、新型コロナウイルスのパンデミックが始まって以来、量的緩和政策によって、RBAのバランスシートはそれ以前の3倍以上に拡大しています。RBAはこれが豪州経済を下支えしているとする一方、今後は5月の金融政策決定会合において、満期を迎える債券の償還金の再投資について検討する予定であることを明かしました。
■ただしRBAは、物価は目標範囲に達しているものの、持続的に収まったと見るのは時期尚早ともしており、政策金利の引き上げには慎重な姿勢を示しました。
市場の次なる焦点はバランスシートの縮小と利上げへ
■今回の決定を市場はハト派的と捉え、会合後に豪ドルは一時下落しました。しかしその後は、世界的な株式市場の上昇を受けたリスクオンの流れにより、豪ドルは上昇に転じました。RBAのロウ総裁は、債券買入れプログラムの終了は早期の利上げを意味するものではないと強調しています。しかし市場では、5月にも予定されるバランスシート縮小の議論と、利上げに焦点が移りつつあります。足元では、新型コロナウイルスのオミクロン型の感染拡大が一時的に経済に影響を与えているものの、今後も景気回復基調は続くと見られます。景気回復につれて、今後は賃金上昇圧力も強まると見られ、労働市場の動向にも注目です。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『豪中銀は債券買入れプログラムの終了を決定』を参照)。
(2022年2月2日)
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