日本の国土のうちおよそ20%は「誰が所有しているかわからない」状態です(平成28年度地籍調査:国土交通省)。こうした問題を解決すべく、日本では令和6年4月1日より「相続登記が義務化」されます。違反した場合10万円以下の過料を科される可能性もあるこの法律……義務化に至った背景から実際に登記する際の注意点について、永田町司法書士事務所の代表で司法書士の加陽麻里布氏が解説します。

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2021年4月、相続登記の義務化が可決

2021年の4月に相続登記を義務化する法案が国会で可決されました。その内容とは、

 

①相続の開始があったことを知った日

かつ、

②相続によって不動産の所有権を取得した日

 

この①および②の日から3年以内に相続の登記をしなければならない、というものです。これに従わず、相続登記を行わなかった場合、10万円以下の過料を科される可能性があります。

罰則を設けてまで「登記の義務化」に踏み切った経緯

なぜ過料のような罰則を設けてまで相続登記の義務を課すことになったのか。その原因は、「所有者不明の土地」が非常に増加している、という問題にあります。

 

いままで、相続登記は義務ではなかったため、登記を放置している方は非常に多くいました。登記をしないまま何代にもわたって相続が重なり、相続人が増え続けてしまった結果、収拾がつかなくなっている……というような現状があります。

 

国土交通省の資料によれば、不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の面積は日本全土の20%程度あり、九州全土の面積を上回るともいわれています。また、人口減少の影響で、20年後にはこの面積が北海道全土ほどまで増加する、といわれています。

 

ほかにも、東日本大震災の復興の際、町を高台に移転させようとしたところ、何代にもわたって相続登記がされていない土地があったため、思うように用地買収が進まず、移転事業が大幅に遅れた、といったこともありました。

 

そのようななか、このまま所有者不明の土地が増えると日本の国土が立ち行かなくなってしまうのではないか、という懸念から相続登記の義務化に踏み切った、という背景があります。

 

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