恐ろしい…命の危険にさらされたとき「パニックに陥る人」が想像以上に少ない理由 ※写真はイメージです/PIXTA

パニック映画では、人々が宇宙人の襲来や大規模災害に泣き叫び、逃げ惑うさまが繰り返し描かれています。しかし現実には、命が危険にさらされる局面でも、映画のような行動を取る人たちは極めて少ないのです。そこには、人間心理に「ある作用」が働いています。ベストセラー作家で、劇作家・演出家としても活動する竹内一郎氏が解説します。

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危険な遊びをする子供たち、厳しく叱るおばあちゃん

子供が数名、川のそばで「ちょっと危険だな」と思われる遊びをしているとする。通りかかったおばあちゃんが子供たちを叱る。叱ったときの口調が厳しかったとしよう。それを見た人は、確かにちょっと危険な遊びではあるが、あそこまで厳しく叱らなくても、と思う。そのおばあちゃんを初めて見た人は、性格のきつい人だと判断するだろう。

 

だが、そのおばあちゃんは、かつて自分の孫を水難事故で亡くしていたのかもしれない。もしそうなら、おばあちゃんが、通りがかりで見かけただけの子供を、強い言葉で叱った理由がわかる。おばあちゃんに対する評価は、「性格のきつい人」から「子供の命を大切に思う人」に変わるかもしれない。

 

しかし、子供を激しく叱るおばあちゃんの一局面だけを見た人は、恐らく「性格のきつい人」という評価になるだろう。厳しい言葉で叱る人を見たとき、私たちはその人を、内面そのものが厳しい人だと思いがちである。「対応バイアス」と呼ばれる心性である。

 

だが、人にはいろんな側面がある。一局面だけではなく、その人のいろいろな局面を見て、できるだけ客観的に評価したいものである。

不合格通知…親「勉強不足」、子供「ヤマが外れた」

一方で、自分が行為を行った場合は、原因を自分の内面にではなく、周囲の状況に求めてしまう習性がある。結果が悪かった場合は、特にその傾向が強い。

 

大学入試で志望校に不合格だったとしよう。こういう場合、「今年の問題は例年より難しかった」「ヤマが外れた」など、原因を自分以外のものに求めたりしないだろうか。問題が例年より難しくても、ヤマが外れても、合格する人はいる。冷静に考えるなら不合格の原因は実力不足である。ところが、人は自分に原因があるとは思いたくないのである。

 

あなたが親で、子供がテストで悪い点を取ってきたとしよう。あなたは、おそらく「勉強が足りなかったんじゃないか」と言うのではないだろうか。そして「次はもうちょっと勉強しよう」と励ましたりする。多くの場合、「今回のテストは、問題が難しかったからたまたまできなかったんだよな」や「ヤマが外れちゃったのか。それじゃ仕方がないよな」という慰めの言葉は発しにくい。

 

自分が行為をする立場であるときと、観察する立場であるときは、原因をどこに求めるかが違ってくる。

 

これは「行為者─観察者バイアス」と呼ばれるものである。

 

行為者であっても、自分の行為によって成功したときは、原因を自分の内側に求める傾向がある。成功したときは自分の手柄になる。しかし、失敗したときには状況のせいにしたくなる。自分勝手なものだが、人の習性だから仕方がない。人は元来そういうものだと知っていれば、そんな人が周囲にいても、いちいち揚げ足を取るほどのこともないだろう。

 

失敗の原因を考えるときには、「(自分が)する」と「(他人の結果を)見る」とは大違いであることを肝に銘じたい。

 

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宝塚大学教授
演劇集団ワンダーランド代表

1956年、福岡県生まれ。横浜国立大学卒。劇作家・演出家として演劇集団ワンダーランド代表を務める一方、さいふうめい名義で漫画『哲也 雀聖と呼ばれた男』の原案も担当。『人は見た目が9割』など、著書多数。

著者紹介

連載人間関係が「客観的に見えてくる」心理法則

本記事は『見抜く力 結果を出す人はどこを見ているか』(河出書房新社)より抜粋・再編集したものです。

見抜く力 結果を出す人はどこを見ているか

見抜く力 結果を出す人はどこを見ているか

竹内 一郎

河出書房新社

皆に同じものが見えていて、皆にチャンスは平等に開かれている。 なのに、なぜ雲泥の差がつくのか? 「見た目」から真実を見抜く著者が教える、「目の付け所が違う人」になるためのレッスン!

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