3.景気の先行き判断DI:新変異株への懸念から2か月連続低下、50割れ
2~3か月先の景気の先行き判断DIは2か月連続で低下した。新変異株への懸念などから50割れとなった。回答者構成比でみれば、先行きは悪化するとする見通しが増加している。
先行き判断DI(季節調整値)の内訳をみると、家計動向関連は48.9(前月差▲5.2ポイント)、企業動向関連は47.7(同▲2.1ポイント)、雇用関連は56.5(同▲0.1ポイント)であった。家計動向関連や企業動向関連の内訳も全て前月から低下し、新変異株への懸念の全般的な広がりが示唆される。また、家計動向関連の内訳をみると、とりわけサービス関連(前月差▲9.1ポイントの47.5)と飲食関連(前月差▲5.4ポイントの50.4)の落ち込みが大きい。
回答者のコメントからは、新変異株などによる感染再拡大への懸念の声が聞かれた。原油価格上昇、物価上昇の懸念を指摘する声もあった。
<新変異株に関する回答者の主なコメント>
・新型コロナウイルス対策としての景気浮揚策の効果も期待できるが、新型コロナウイルス新変異株や感染の第6波などへの不安要素の方が強く感じられるため、今後の景気はやや悪くなる(北海道・スーパー)
・年末年始の宿泊予約が伸び悩んでいる。新型コロナウイルス新変異株による感染の再拡大及び燃料や食料品等の値上げにより、外食や旅行などの余暇に対する消費の抑制を懸念している(北陸・都市型ホテル)
<原油価格上昇や物価上昇への懸念を指摘する回答者の主なコメント>
・原油価格の高止まりにより、当面は高い販売価格のまま推移する。それにより現状の節約志向はまだまだ続くとみられることから、販売量の回復は見込めない(東北・その他専門店[ガソリンスタンド])
・市場マインドは上向きつつあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響及び世界的な電子部品供給不足等による部品調達の遅滞や原材料価格の高騰等、不確定な要素が多く懸念される(四国・一般機械器具製造業)
なお、先行き判断に関する回答者コメントの傾向を把握する観点から作成した共起ネットワーク※は以下の通りとなった。
山下 大輔
ニッセイ基礎研究所
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