寒さの緩和だけでなく、「掃除も楽になる」
④ほこりが少なくなり掃除が楽
高気密・高断熱住宅は、ほこりが減るため、掃除も楽になります。これは意外に思う方も多いのではないでしょうか?
これにはいくつかの要因があります。第一に気密性能が高い家は、当然すきま風が減りますから、隙間から砂埃などが入ってこなくなります。
実際、当社がサポートして、築40年の自宅の「気密・断熱フルリノベーション」を行ったお客様の場合、小学校のすぐ向かいの立地なので、改修前は小学校からの砂埃が家の中に侵入してきていつも床がざらざらしていたそうですが、改修後にはそれがなくなったと喜んでいました。
また、現在の建築基準法では、24時間換気装置の設置が義務付けられています。高気密の家は、それがきちんと計画通りに機能しますが、低気密の住宅ではそうはいきません。排気ファンの近くの隙間から給気してしまいショートサーキットが起こるためです([図表3]参照)。
24時間換気装置が計画通りに機能すれば、家に取り入れる外気はフィルター等を通し、多くの粉じんが除去された空気になります。さらに、戸建住宅用の「電気集塵機」も出ています。そういった換気装置にこだわれば、家の中の空気をよりきれいに保つことも可能です。
ちなみに東京大学名誉教授の村上周三先生によると、体内に取り込まれる物質の中で、一番多いのが「室内の空気」だそうです。なんと57%に上ります。これは体積比ではなく、重量比です。
一番多そうな飲食物は、意外なことに、合わせてもわずか15%ほどです。家族の健康を考えると、室内の空気環境を整えることがとても重要だとわかります。