※画像はイメージです/PIXTA

税制改正が話題になるたびに騒がれるのは「相続税と贈与税の一体化」。それはいつになるのか、実際に一体化されたらどうすべきか……報道は過熱する一方で、不安ばかりが増すという人も多いのではないでしょうか。実際に「相続税」と「贈与税」はどうなっていくのか、それに対して富裕層はどうすればいいのか、相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の戸﨑貴之税理士が解説します。

税制改正に向けた「暦年贈与の活用方法」の検討

贈与の改正の実行可能性は流動的ですが、現状でのルールが継続されて猶予されている状況ともいえます。現行のルールが継続して認められているのであれば、それをうまく活用していきましょう。

 

一口に「贈与を行いましょう!」といっても単純に贈与を行う前にやっていただきたい段取りがあります。それは、『現状把握と分析』です。

 

下記のような流れで把握しましょう。

 

1.
相続税がかかるかどうか、申告義務者であるかどうかの確認
所有財産の金額、相続人数の確認

 

2.
分割方針、小規模宅地の特例の適用有無の確認
相続税に大幅に影響がある小規模宅地の特例が適用できるかを分割方針が分かれば把握しましょう

 

3.
分析結果に基づき相続税の税率よりも低い税率での贈与金額を検討

 

4.
節税効果のある金額での贈与の実行

 

やみくもにやるのではなく、相続の時を見据えて行う必要がありますので、現状把握が最も大切です。また、暦年贈与をだれにあげた方がいいかというのも税負担面で優先順位もあります。

 

第1位

相続人にならない方への暦年贈与(お孫さんやご親族)
※相続の時に加算にならないため

 

第2位
相続の時に、財産を受け取らない方への暦年贈与
※相続の時に、相続財産を全く取得しないと相続人に対する贈与も加算になりません。

 

第3位
相続人に対する贈与
※いわゆる通常の贈与ですが、3年を過ぎれば加算になりません。

 

まとめ

相続税・贈与税一体化議論については今後も改正の可能性は引き続きありますので、現状のルールで使えるうちには、有効に節税を行えるよう現状把握が大切です。間違った計算をして節税にならなかったという事態にならないように、実務経験の豊かな現場に詳しい相続税専門税理士に相談することをお勧めします。

 

税理士法人ブライト相続
戸﨑 貴之(とざき たかゆき)

 

 

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