22年も変異株の感染が話題となろうが過度な懸念は不要
変異株の影響は中期で考えれば限定的
■米国株式市場は、新型コロナウイルスの変異株(オミクロン型)に対する懸念が薄らぎ始めました。オミクロン型の感染は拡大していますが、重症化リスクは比較的低いとの研究結果が相次いでいること、米食品医薬品局(FDA)がファイザー社やメルク社の新型コロナ経口治療薬の緊急使用を許可したこと等が好感されています。今後も更なる変異が想定されることから、22年も新型コロナの影響で株価の変動率が高まる場面はあると予想されます。ただ、これまで経験してきたように対処は十分可能であり、過度な懸念は不要と考えられ、米国株式市場への変異株の影響は中期で考えれば限定的と見られます。
利上げ局面入りでも業績が堅調であれば株価は上昇へ
物価は上昇するも、適切な金融政策で経済の腰折れは回避
■22年は物価の上昇が懸念される中、利上げ局面入りとなります。適切な金融政策により、経済の腰折れは回避できると考えています。弊社では22年に3回(6月、9月、12月)、23年も3回(3月、9月、12月)の利上げを想定しています。ちなみに過去の利上げ局面で株価が調整した場面は、景気、企業業績が鈍化し始めた時点でも、利上げサイクルを継続したことが要因と考えられます。景気・企業業績が堅調であれば、利上げ局面でも株価は業績に沿った上昇が期待できると考えます。
堅調な展開を予想
■市場を支えてきた財政政策も、現在の高いインフレ率の下では追加は難しいと思われます。やはり、22年の米国株式市場は最大のドライバーである企業業績の伸びがカギとなりそうです。Bloombergによれば、22年のS&P500種指数採用企業の1株当たり予想利益は前年比+8.2%、23年は同+9.7%と予想されます。米国株式市場はしっかりとした業績の成長を支えに堅調に推移する見通しです。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『2022年の米国株式市場の見通し』を参照)。
(2021年12月27日)
関連マーケットレポート
2021年12月13日 今年のマーケットを振り返る ~米国株式市場
2021年11月30日 「オミクロン」と米国株式市場