(※写真はイメージです/PIXTA)

不動産業界のビジネスは「千三つ=千に三つの成約しかない」との格言もあるほど厳しいものです。しかしその一方、上客から突然高額な利益をもたらされる「超ラッキー」な契約が舞い込むこともあります。このような背景から、不動産業界には、いまなおジンクスやゲン担ぎが生きているのです。業界の背景とともに、いくつか事例を見てみましょう。

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    いまなお生きる「ジンクス」「ゲン担ぎ」

     

    不動産業界には先輩社員から代々受け継がれる「謂れ(いわれ)」があります。これらを見ると、不動産業者がいかにジンクスやゲン担ぎを重んじているかがわかります。

     

    「水曜日定休」が多い理由

    不動産会社は、水曜日を定休としているところが多くあります。週末は顧客の内見が集中するでしょうから、平日定休なのはわかりますが、なぜ水曜日なのでしょう?

     

    水曜日の「水」という字が「流れ」をイメージさせることから、「契約が流れる」→「水曜日に仕事をするといいことはない」というジンクスができました。そのため、多くの不動産業者は水曜日に契約や引渡しを設定するのを避けています。

     

    昔ながらの「六曜」も重視

    六曜の「仏滅」にあたる日も契約や引渡しに相応しくないとされています。

     

    もっともよいのは「大安」、売主・買主の都合がどうしても合わない場合は「先勝」か「友引」の午前、「先負」の午後に設定するよう心がけています。

     

    社名に「三」がつく会社が多い理由

    不動産業者には、社名に「三」がつく会社がたくさんあります。インターネット上で「不動産会社 三」と検索するだけでも「三」の字のつく社名が次々と出てきます。

     

    その由来は「3つの会社の合併」や「三本の矢の教えから」などとさまざまですが、関西地方では社名に「三」が付く会社は寿命が長く倒産しないというジンクスが伝えられていることにあるようです。また、カタカナでも「サン」が付く社名が多いようです。

     

    「千三つ」のもうひとつの解釈

    不動産業者自身は「千三つ」について「1.000件中わずか3件しかない契約(上客)」という考え方をしています。不動産売買は賃貸と違って取引金額が高く、また、顧客の検討期間も数ヵ月から数年と長期にわたります。

     

    顧客の問い合わせが契約に直結する可能性はかなり低く、営業担当者が焦って顧客の決断を急がせようとすると、商談自体がご破算になるリスクもあるのです。不動産業者は、「3件契約が取れれば御の字。気楽に行こう」という穏やかな心持ちで顧客と向き合うことが必要なのかもしれません。

     

     

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    ※本連載は、『ライフプランnavi』の記事を抜粋、一部改変したものです。

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