中学受験専門カウンセラー安浪京子 × 教育ジャーナリストおおたとしまさ。中学受験を前提として、基礎学力をつけるには公文か、そろばんか、どっちが有効なのか――。教育現場に詳しい2人はどう答えたか。※本連載は安浪京子氏、おおたとしまさ氏の著書『中学受験の親たちへ 子どもの「最高」を引き出すルール』(大和書房)から一部を抜粋し、再編集したものです。
過去問を解いて相性がわかるのは6年の秋以降
■過去問集は売り切れるから、早く買ったほうがいい?
おおた 過去問集は本当におもしろいですね。ちょっと興味のある学校の過去問を読んでいて、「あっ、ここの学校の問題ってなんか楽しい」と子どもが感じられることは、かなり重要だと思います。いや、「楽しい」とまではいかなくても「あんまりイヤじゃないな」と感じられればいい。それは学校に入ってからも、その校風になじみやすいかどうかのリトマス試験紙的なものじゃないかと思います。
安浪 はい、それはありますね。「コロナ休校中、時間があるから、いろんな学校の過去問を解いて“相性”を見たほうがいいですか?」という質問がわりとあったんです。
でも、1つ言わせてもらいたいのは、過去問を解いて、相性がよいか悪いかがわかるのは、6年生の秋以降ということ。それ以前に解いても、相性の「あ」の字もわからないはずです。すごく行きたい学校があって、どうしても早い時期に過去問を解きたいのであれば、子どもではなく、親が解くのがいいと思います。過去問集はすぐに売り切れてしまうので、早く買いたくなる気持ちもわかるのですが……。
おおた 過去問集、そんなに早く売り切れちゃうんですか?
安浪 増刷しないから、書店からすぐ消えてしまうんです。早いうちに過去問を買って、「やってもいいこと」といえば、国語の問題に親が目を通すこと。国語でどういう文章を出しているかで、その学校のスタンスがわかります。
安浪京子
株式会社アートオブエデュケーション代表取締役
算数教育家
中学受験専門カウンセラー
おおた としまさ
教育ジャーナリスト
株式会社アートオブエデュケーション代表取締役
算数教育家
中学受験専門カウンセラー
神戸大学を卒業後、関西、関東の中学受験専門大手進学塾にて算数講師を担当。生徒アンケートでは100%の支持率を誇る。プロ家庭教師歴約20年。きめ細かい算数指導とメンタルフォローをモットーに、毎年多数の合格者を輩出。中学受験、算数、メンタルサポートなどに関するセミナーを開催、算数力をつける独自のメソッドは多数の親子から支持を得ている。「きょうこ先生」として多数のメディアでさまざまな悩みに答えている。著書に『最強の中学受験 「普通の子」が合格する絶対ルール』など多数。
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連載中学受験の2大カリスマが教える「中学受験の真実&新常識」
教育ジャーナリスト
1973年、東京都生まれ。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退、上智大学英語学科卒業。リクルートから独立後、数々の育児・教育媒体の企画・編集に関わる。教育現場を丹念に取材し斬新な切り口で考察する筆致に定評があり、執筆活動の傍ら、講演・メディア出演などにも幅広く活躍。中学・高校の英語の教員免許、小学校英語指導者資格をもち、私立小学校の英語の非常勤講師の経験もある。著書は60冊以上。
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