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経済成長率=実質GDPの増加率
経済成長率という言葉は、通常は実質GDPの増加率を意味しています。これは、国内で生産された物(財およびサービス、以下同様)の量がどれくらい増加したか、という統計です。
自動車生産が1割増えて鉛筆の生産が1割減った場合には、もちろん重要度に応じてウエイトを付けて計算しますから、経済成長率はゼロではなく1割弱ということになるわけです。
生産量が増えるということは、普通はそれが消費されますから、国民生活が豊かになる、ということを意味します。つまり、経済成長率が高い国は国民の生活が急速に豊かになっている、というわけですね。高度成長期の日本は、まさにそうでしたね。
経済成長率が高い=生産が増えて景気がいい!
経済成長率は、短期的にも変動します。これは景気のよしあしを表す統計として、やはり大変重要な意味を持ちます。景気予想屋は景気がいいとか悪いとかいう予想をするときに、経済成長率を予想するのですが、それほど景気と経済成長率は関係が深いわけです。
成長率が高いということは、去年より多くの物が生産されるということなので、きっと企業は多くの労働者を雇っているでしょう。つまり、失業者が減っているはずです。企業が生産を増やすのは売り上げが好調なときですから、企業の利益も増えているはずです。つまり、景気がいいわけですね。
ひとつ気をつけたいのは、景気には方向と水準があり、両者をしっかり区別して考えるべきだ、ということです。不況から回復しはじめたときには成長率は高く、失業も減っていますし利益も増えていますが、水準は悲惨です。
街に溢れている失業者の数が少し減っただけかもしれませんし、利益が増えているのではなく損失が減っているだけかもしれません。つまり、正確には成長率が高いときには景気がいいのではなく、景気が改善中だというべきなのですね。
潜在成長率の基本は「技術進歩」にある
経済成長率がゼロだと「ゼロ成長だから不景気だ」などといわれますが、昨年と同じだけ物を生産して消費しているのに、なにが不満なのでしょうか。
それは、技術が進歩する分だけ失業が増えてしまうからです。技術進歩といっても、発明発見のことではなく、経済で使われている技術が進歩する、という意味です。
機械を最新式のものに入れ替えると、効率的になるので労働者1人当たりの生産量が増えます。国全体の生産量が増えないで1人当たりの生産量が増えると、必要な労働者数が減ってしまい、失業が増えてしまうのです。
技術が進歩しなくても、単に使っている機械の台数が増えても同じですし、現役世代の人口が増加しても同じことが起きますが、影響が大きいのは技術進歩でしょう。
ということは、技術進歩の速度と同じだけ生産量が増えないと失業が増えてしまう、ということになります。そこで、そうした成長率のことを潜在成長率と呼んで景気判断に使うわけです。
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