(※画像はイメージです/PIXTA)

一見無関係に見える医師と海外留学。だが、留学に対して「メリットは大きい」と、三度の留学を経験した医師の岩橋晶子氏はいう。今回は留学当時を振り返りながら、そこで得たスキルについて語ってもらった。新型コロナウイルスが落ち着きを見せてきた今、医師を志す学生は検討してみてもいいだろう。

世渡りスキルも身に付く

実際に本腰を入れて実験を始めると、わからないことがたくさん出てくる。皆さん自分の実験があり大変な中なのに、誰に聞いてもみんな優しく教えてくれた。研究というのは、半年やそこらで成果が出るものでは到底ないが、仮説を立てる位までには何とか仕上がり、ボスにもOKをもらえた。

 

未経験のものを、しかも英語で1から教わるのは、本当に大変なことであったが、ラボの皆さんの優しさのおかげで、半年間どうにか乗り切れた。かなりがむしゃらに突っ走った半年間であったが、今思い返すと英語力も世渡りスキルもかなり成長した半年であったように思う。

医療英語をすんなり覚えられる

その後、現地で懇意にしていただいていた日本人クリニックの先生のツテで、家庭医療のProfessorと親しくなり、私は医学部4年生の時にもう一度この国を訪れた。

 

今度は病院での臨床実習のためだ。約1ヵ月間実際の臨床に携わらせてもらった。日本でもちょくちょく臨床の現場に見学にいかせてもらっていたため、大体の勝手はわかっていたが、やはりそこでも英語の壁はあった。

 

日常会話と医療英語は全く違い、最初は苦労したが毎日聞いていると意外と覚えるもので、最後の方は特に苦労なく診察が行えるようになっていた。

 

診療録を書いたりレポートを書いたり、カンファレンスに出て発表したり、初期研修医がやるようなことを実際やらせてもらい、非常に勉強になった。

 

日本で診療を行っていても、英語しかしゃべれない患者さんは意外と多い。初期研修で各科を回った時や、産婦人科での後期研修の時も、日本語をしゃべれない患者さんが来ると、私のところに紹介してくださることが多かった。他科の先生から英語の通訳や紹介状作成を頼まれることもあった。海外で臨床実習を経験した事は、日々の診療でとても役に立っていると思う。

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