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DACH各国のM&A活発化の背景
DACH各国(ドイツ、オーストリア、スイス)のM&A活動が復活の兆しを見せています。欧州の高い予測成長率を背景に、欧州全体にM&A復活の動きが見られますが、その流れの一環だといえます。また、国際通貨基金(IMF)は、欧州のGDPが昨年の5.8%減から、2021年には4.3%増、2022年には4%増になると予測しています。
MergermarketとDatasiteが発表したレポート(「ディール・ドライバー:EMEA [欧州・中東・アフリカ] 地域 2021年上半期」)によると、企業もプライベートエクイティ(PE)投資家も、資本調達の準備が整っていることや、パンデミックによる制約のなかでもテクノロジーを用いての取引が増加していることから、M&A活動はますます増加しています。
EMEAでは、2021年上半期、M&Aの件数と金額が大幅に増加し、件数に関してはすべての業種で伸びが見られました。最近の企業売上実績から見ると、2021年後半にM&Aが活発になる可能性が特に高いのは、テクノロジー・メディア・通信(TMT)、消費財、工業・化学(I&C)の3つのセクターです。
2025年までに、テクノロジー進化度は「高レベル」へ
新型コロナウイルスの影響で、ドイツ、オーストリア、スイスのM&A活動は停滞していましたが、欧州中央銀行の前例のない支援の結果、各国の経済は安定し、回復基調に乗り、取引は勢いを取り戻しています。
現在、DACH各国のM&A実務担当者の多くは、自社および業界全体のM&Aプロセスにおけるデジタル成熟度及びテクノロジー進化度を「中レベル」と評価していますが、5年後にはこれが高いレベルに達すると予想しています。調査対象M&A実務担当者の半数以上が、2025年までに自社のM&Aプロセスにおけるテクノロジー進化度は中レベルから高レベルになると考えています。
DACHの実務担当者らは、M&Aプロセス関連のデジタルテクノロジー導入に対する主な障壁として、財政面での制約、セキュリティ、プライバシーの問題を挙げています。
しかし、コメルツ銀行のM&A担当最高幹部らは、取引サポートツールとしてテクノロジーを利用するM&A実務担当者は、今後ますます増えていくだろうと予測しています。幹部たちは、銀行その他のアドバイザーは、サードパーティのテクノロジーソリューションを採用し、ビッグデータやインテリジェントなマッチングアルゴリズムにより、「買い手」と「売り手」を自動的にマッチングさせるプラットフォームを使いながら、売り手側の業務をサポートしていくことになると確信しています。
また、デューディリジェンスなど、多くのリソースを必要とするM&Aプロセスでは、テクノロジー、特にバーチャルデータルームの活用が進むと考えられます。このような流れはパンデミックによる渡航制限のため、昨年急速な進展が見られました。
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