(※写真はイメージです/PIXTA)

これからの医師、クリニックに重要なのはネットでの発信力です。日本一忙しい小児科医と呼ばれる筆者は、SNSやユーチューブでキャラクターを開示し、「顔の見える医師」になることが重要であると語ります。顔の見える医師になるには、ユーチューブチャンネルを開設すること。さらに、動画をアップしたらSNSでフォロワーに通知することも欠かせません。お金をかけずにできる自己ブランディングのポイントを見ていきましょう。

 

情報発信力を高めるためにプライベートグループを設立

フェイスブックで情報発信力を高めるためには、「友達」を増やす努力が欠かせません。そのために有効なのが、さまざまなフェイスブックグループに入会し、そこから友達の輪を広げるやり方です。

 

フェイスブックでは、見ず知らずの人から友達申請を受け取っても拒否する人が大半です。ところが、医師という肩書きがあれば信頼度はそれだけで高まり、友達申請は高確率で承認されます。私の場合も、8割以上の人に友達申請を受け入れられています。

 

フェイスブックで友達がある程度増えたら、自分自身のプライベートグループ(管理者に認められたメンバーだけが閲覧・投稿できるフェイスブックグループのこと)を開設しましょう。

 

そしてフェイスブックの友達のなかから、グループに親和性のありそうな人を招待します。

 

私の場合、2021年4月時点で約4950人、フェイスブックの友達がいました。このうち、約1000人をピックアップし、私が設立した「子供の健康・育児・子育てコミュニティー/ Mama's Doctor」というグループに招待しました。

時間と手間をかけた「誠実なメンバー対応」が重要

このフェイスブックグループでは、メンバーの悩みに対してとにかく誠実に答える必要があります。彼らから寄せられる質問に対し親身になって答えることで、信頼を勝ち取ることが大切です。

 

また、質問がフェイスブックのメッセンジャーで届くこともありますが、こちらにも私は答えます。返答のため、毎日15分程度くらいは費やしています。コミュニティーのメンバーが増えると、それにつれて看護師や助産師をはじめとする医療関係者も増えます。

 

すると、グループメンバーの質問に対し、私以外の専門家が答えてくれるケースが多くなり、グループの管理はぐっと楽になります。

 

そうやって軌道に乗るまでは、ある程度の時間と手間をかけ、メンバーへの対応を行いましょう。そうしてファンを増やすことが、将来の診療外収入につながります。

「医師の情報発信」で勘違いしてはいけないこと

■「私生活に関するSNS投稿」は百害あって一利なし

私はフェイスブックのアカウントを、「患者向けアカウント」と「ファンコミュニティー向けアカウント」の2つに分けています。

 

どちらのアカウントでも、私生活の話をすべきではありません。医師が自己ブランディングを目指す場合に最も大切なのは「権威付け」ですから、普段の暮らしを見せて患者に親しみやすさを感じさせても、百害あって一利なしなのです。愚痴などをこぼすなどはもってのほかです。

 

自己ブランディングにプラスになることであれば、多少は自分のことを書いても構いません。

 

例えば私は小児科医ですから、自分自身が育児で悩んだ経験などについては語ることもあります。しかし、趣味の話や、誰かと飲みに行った話などはいっさいSNSで触れることはしません。

■医師のユーチューブ動画制作は「重労働」ではない

ユーチューブの撮影を行う際に、映像や内容に凝りすぎる必要はありません。

 

最初にユーチューブの映像を撮影したときは、照明があまりにも暗過ぎて、まるでお化け屋敷で撮影しているような雰囲気になってしまいました。

 

そこですぐに照明を改善して、今では明るい雰囲気の映像が撮れています。

 

ただ、あまりにクオリティーの高い映像を求めても意味がありません。映像の質は高くてもコンテンツが少数だけしかないユーチューブチャンネルより、映像の質は普通レベルですが、悩んでいる人の役に立つコンテンツをたくさん生み出すチャンネルのほうがずっと有意義だからです。

 

ちなみに私の院では休業日を使い、4時間で20本ほどのペースでユーチューブ動画を撮影しています。動画には時間の長いものも短いものもありますが、平均の長さは10分程度です。話したいテーマのときは調子が出て長時間話したくなることも多々ありますが、あまりに長くなると視聴者からは敬遠されます。そこで、あまりに長くなった動画は、複数に分割してアップロードしています。

 

また、凝り性な人は自分自身で編集に手をだしたりするかもしれませんが、これもやめましょう。映像制作の仕事はスタッフなどに任せ、医師の貴重な時間はほかの仕事に振り分けるべきです。

 

動画作りの前に綿密な台本を用意する必要もありません。頭のなかに浮かんだことをそのまま伝えれば十分です。その際にお勧めしたいのが、自院の患者に協力してもらい、その人を前にして話をするスタイルです。

 

私は実際に悩みをもっている患者に座ってもらい、その人に向けて説明する様子を動画として撮影しています。そうすれば感情がこもっていい話ができますし、医師にとっては慣れたやり方ですから、スムーズに話せるものです。

 

鈴木 幹啓

すずきこどもクリニック院長

 

 

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※本連載は、鈴木幹啓氏の著書『開業医を救うオンライン診療』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

開業医を救うオンライン診療

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鈴木 幹啓

幻冬舎メディアコンサルティング

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