前回は、具体的なプライベートカンパニーの作り方と活用法を説明しました。今回は、プライベートカンパニーの株価の評価方法について見ていきます。

資産を「株式」に換えて評価を下げる!?

実は、私たちがアドバイスしている資産家の皆さんは、すでに半分ほどがプライベートカ
ンパニーを所有していますが、実際にはほとんど活用されていません。プライベートカンパニーはどのように使えばいいのでしょうか。

 

基本は、被相続人が保有している不動産や株式、預貯金などの資産を分離し、プライベートカンパニーに移すことです。資産をプライベートカンパニーの「株式」に換えて、その評価を下げるわけです。

 

また、いったん資産をプライベートカンパニーに移せば、本人が認知症などになった際も柔軟に対応できます。なぜなら、法人が保有する資産をどう運用したり、処分したりするかは取締役会や株主総会の判断でできるからです。

株式評価は「純資産価額方式」で行う

プライベートカンパニーに資産を移す方法には、出資(現物出資を含む)、貸し付け、社債発行などがあり、通常は出資の形をとることが多いでしょう。こうして設立したプライベートカンパニーが、借り入れ等を組み合わせて収益不動産を取得します。

 

プライベートカンパニー(法人)の株式の評価は、基本的に純資産価額方式で行われます。法人が保有している株式や不動産の評価額がそのまま株式の評価額になるのです。そして、ここが重要なポイントですが、法人が保有する不動産の評価については、取得から3年経過すれば相続税評価額になるのです。

 

そのため、株式の評価額を圧縮できるというわけです。借入金があれば、Eさんのケース(Bプライベートカンパニー)のように、株式の評価がゼロになることもあります。

 

    プライベートカンパニーのBSと株価(土地建物所有方式)

本連載は、2015年9月19日刊行の書籍『余命一カ月の相続税対策』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
〈税務の取扱に関する留意点〉
本連載の内容は、平成28年7月現在の税制・関係法令等に基づき記載しております。今後の税制改正等により税務の取扱等が変わる場合もありますので、記載の内容につきましては将来にわたって保証されるものではないことにご注意ください。個別の税務取扱い等については、税理士や所轄税務署等にご確認されることをお勧めします。

余命一カ月の相続税対策

余命一カ月の相続税対策

福田 郁雄,木村 祐司

幻冬舎メディアコンサルティング

突然やってくる“その時”、わずかな時間でできる対策は限られています。しかし、正しいノウハウをもってすれば、相続税対策は2週間程度で完了、相続税をゼロにでき、それどころか、子孫に受け継いだ資産がその後も増え続けて…

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