増益率は前年同期比+38.6%
82%の企業が事前予想を上回る
■米国では、S&P500種指数に採用されている企業の7-9月期の決算発表が佳境に入りました。リフィニティブによれば、10月28日現在、決算発表の進捗率は49%で増益率は前年同期比+38.6%です。また、82%の企業が事前予想を上回っています。こうした好決算を受けて、28日はS&P500種指数、NASDAQ総合指数が最高値を更新しました。
低下するリビジョン・インデックス
増益見通しに慎重なことが背景
■7-9月期の増益率は大幅な上方修正ですが、1年先予想ベースで計算されるリビジョン・インデックスはゼロ近傍へ大きく低下しています。これは、来年の増益率の見通しが2桁から1桁台に低下する中、現時点で上振れを想定する要因が少なく、慎重な見方となっていることが背景です。
来年に向け業績上振れのチャンスも
■米国株式市場は、リビジョン・インデックスがプラスでなくても増益基調が維持されれば総じて堅調に推移するため、過度に懸念する必要はありません。一方、リビジョン・インデックスが上昇に転じれば米国株式市場にとっては追い風になります。今後、その可能性はあると考えられます。
■ポイントは、遅れている大型インフラ投資と新年度予算がいつ成立するかです。民主党は予算規模を縮小して年内の成立を目指す方針と言われています。予算規模は3.5兆ドルが2兆ドルを下回る水準に下方修正される見通しですが、それでも22年のGDP押し上げ効果が期待されます。インフラ投資、新年度予算にメドが立てば、来年に向けた企業業績の上振れが再度期待される局面がくると考えられ、米国株式市場も堅調に推移する見通しです。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『リビジョン・インデックスから見る今後の米国株式市場』を参照)。
(2021年10月29日)
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