基本的に「副業」が禁止されている公務員
公務員の人に、不動産投資の話をすると、必ずといっていいほど「それは副業になるか
ら無理だ」と言われます。公務員は、基本的に副業を行うことを禁止されています。本書を読んでいる皆さんも、一番気にしているのは、「不動産投資は副業に当たるか否か」ではないでしょうか?
結論からいうと、ある一定規模までは副業に当たりません。そもそも公務員でも親が不動産投資をしていて相続したり、転勤している間に持ち家を貸したりといったケースは十分あり得ます。国や自治体は、いくらなんでもそこまで禁止することはできません。そこで、ある一定の規模までは副業とはならないとしているのです。
では、その詳しい内容を説明しましょう。まず国家公務員は、憲法・国家公務員法・人事院規則によって、次のように副業が規制されています。
憲法15条(抜粋)
すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
(私企業からの隔離)
国家公務員法第103条(抜粋)
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)
を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は
自ら営利企業を営んではならない。
2 前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の 承認を得た場合には、これを適用しない。
人事院規則14-8(抜粋)
3「自ら営利企業を営むこと」(以下「自営」という。)とは、職員が自己の名義で商 業、工業、金融業等を経営する場合をいう。なお、名義が他人であつても本人が営利 企業を営むものと客観的に判断される場合もこれに該当する。
4 前項の場合における次の各号に掲げる事業の経営が当該各号に定める場合に該当す
るときは、当該事業の経営を自営に当たるものとして取り扱うものとする。
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
(1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された
一の部分の数が10室以上であること。
(3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
各自治体によって、独自に定められている「副業の規定」
難しく書いてありますが、つまり次の規模で投資をしていれば自営(=副業)とはならず、自由に投資ができるということです。
・4棟以下
・9室以下
・年間賃料収入500万円未満
また、この規模を超える場合でも、「人事院規則の定めるところ」に該当すれば、申し
出をすることにより、承認を得ることが可能です。「人事院規則の定めるところ」とは、以下のような条件です。
人事院規則14-8
一 不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適
合すると認められるとき。
(1)職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその
発生のおそれがないこと。
(2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係
る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明 らかであること。
(3)その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。
(1)は、不動産が公務員としての取引先と関係ないこと。(2)は、管理は管理会社に
委託すること。(3)は、公務員の信頼性を損なわずに行うことです。(3)は判断が難しいところですが、今までの経験では特に周囲へ「自分は不動産投資を行っている」と触れ回らない限り問題ないでしょう。
次は地方公務員の場合です。地方公務員の副業は、地方公務員法によって次のように規制されています。
(営利企業等の従事制限)
第38条
職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
ここでいう「営利を目的とする私企業を営むこと」の基準は、各自治体によって独自に
定められています。しかし、実際には国の基準と同じ自治体が多いようです。つまりほと
んどの自治体は「4棟以下」「9室以下」「年間賃貸料収入500万円未満」であれば特に
申請をしなくても不動産投資が可能です。さらに管理は管理会社へ依頼すれば、より問題
ないでしょう。