介護チームが崩壊…費用をギリギリまで切りつめるケアマネの罪 (※画像はイメージです/PIXTA)

介護と仕事の両立は難しいものです。簡単に結論を出せる問題ではありません。 ※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

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利用者にとって最善の選択を提案したのに…

和田さんは福祉用具レンタル会社の社員(30代・男性)。ケアマネの指示に従って、利用者に介護用ベッドなどの福祉用具をレンタルする仕事をしており、キャリアは10年以上になります。

 

その和田さんにケアマネの河野さん(50代・女性)から連絡が入りました。「担当している利用者さんに車椅子が必要になったから、その手配をしてください」とのことでした。

 

「できれば河野さんにも立ち会ってもらいたかったのですが、『ほかに訪問する家があるから』ということなので、私ひとりでその利用者さんである本田さん宅にうかがいました」

 

訪問すると、介護をされている娘さんが、車椅子が必要になった理由を話してくれました。

 

利用者は83歳のお母さん。少し前まではひとりでトイレに行くこともできましたし、家族がつき添えば外出もできたそうです。ところが、最近は下半身の筋力が衰えたのか、歩いていてもバランスを崩すことが多くなり、本人と相談のうえ、車椅子を利用することにしたといいます。

 

和田さんは、利用者の体の状態を観察するとともに、車椅子を使っておもに出かける場所を聞きました。

 

「出かけるのは週に1回の病院と、2回のデイサービスとのこと。私はカタログを娘さんにお見せし、おすすめの車椅子を示して、その理由を説明しました」

 

和田さんの会社が扱っている介助用の車椅子は、ひと月のレンタル料が下は3000円から上は1万2000円まであります。用具のレンタルは、利用者が要介護2以上であれば介護保険が適用になります。本田さんは要介護2であり、世帯収入は1割負担に該当したので、3000円のタイプなら月300円、1万2000円のタイプなら月1200円の負担で借りられることになります。

 

そのなかから和田さんが勧すすめたのは6000円、つまり月600円で借りられる車椅子でした。

 

「私がこのタイプをお勧めしたのは、長時間座っても疲れにくい快適性です。健康な方でも、椅子に長時間座りつづけるのはつらいものです。たとえば映画館。最近の映画館の椅子は、かなり座り心ごこ地ち が良くなっていますが、それでも座りつづけていると体はしんどくなってくる。2時間近くの上映中は、誰もが重心の位置や姿勢を変えているものです。体を支える筋力が弱っているうえ、自在に姿勢を変えることができない要介護の方はなおさらです。

 

くわえて、デイサービスに車椅子で行く方は、2~3時間座りっぱなしということもありますし、病院でも診察まで長時間待たされることは多い。そのときの苦痛の軽減を考えて、座り心地が良く、座面が広くて姿勢を変えやすい月額レンタル料600円の車椅子をお勧めしました」

 

本田さんの家族も説明に納得し、その車椅子を利用することを決めました。

 

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フリーライター

1956年、埼玉県生まれ。明治大学法学部中退。スポーツやビジネス分野を中心に取材・執筆活動を展開してきたフリーライター。父親介護の体験を機に、高齢者介護のあらゆる問題を社会と個人の両面から精力的に取材。現場のリアルを『PRESIDENT Online』で発表している。また、『DIAMOND online』ではスポーツのコラムを執筆中。

著者紹介

連載「頼れるケアマネ」と「問題なケアマネ」の見分け方

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

有能な人が担当になればラッキー。ところが、そうでない人だと…。介護サービスを受ける際の中心的な存在であるケアマネージャー。その良し悪しはどこで判断できるのか、「もっといい人を」と思ったら、どう対処すべきか。著者…

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