月16万円の負担…介護保険「支給限度額」巡るケアマネの功罪 (※画像はイメージです/PIXTA)

ケアマネは基本的に支給限度額を考えてケアプランを考えることはしません。必要最小限のサービスに抑えようとします。 ※本連載は相沢光一著『介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ』(河出書房新社)より一部を抜粋、再編集したものです。登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。

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支給限度額でサービスを組むケアマネの考え

■なぜ、「支給限度額いっぱい」がダメなのか

 

良心的なケアマネから〝困ったケアマネ〟と見られている人に「必要もないのに支給限度額ギリギリまでサービスを入れる」人がいます。

 

利用者・介護者からもサービス事業者からも、人間性や仕事ぶりが高く評価されているケアマネの田辺さん(40代・男性)はその問題点をこう語ります。

 

「ケアマネの基本姿勢は『利用者さんの支援のために必要最小限のサービスを提供する』こと。利用者負担は原則1割とはいえ、介護にはお金がかかります。不安なく介護をつづけるには、負担をできるだけ少なくする必要があるわけです。

 

また、社会的使命もあります。介護を支える財源は逼迫しており、無駄づかいしていたら介護保険制度は維持できません。だから、ケアプランにはみずからの知見を総動員し、必要最小限にして最大の効果が得られるサービスを盛りこもうとするのです。しかし、そんなことはいっさいお構いなしで、支給限度額いっぱいまでサービスを入れてしまうケアマネがいるわけです」

 

なぜ、この行為がダメなのでしょうか。

 

理解するには、介護保険制度の支給限度額や利用者負担といったお金の話を知っておく必要があるので、ここでできるだけわかりやすく説明します。

 

日本は国民皆保険の国です。国民全員が健康保険に加入し、保険料を支払っている。

 

それが財源としてあるから、義務教育の就学後から70歳までは3割負担、70歳から75歳までは2割負担、75歳以上は1割負担で(保険適用の)医療が受けられます。

 

また、介護保険は40歳から加入が義務づけられ、死亡するまで保険料を支払います。

 

そして要介護になったら、集められた保険料からサービス代が支給され、利用者は1割負担で済むわけです(所得によっては2割負担になるケースもあります)。

フリーライター

1956年、埼玉県生まれ。明治大学法学部中退。スポーツやビジネス分野を中心に取材・執筆活動を展開してきたフリーライター。父親介護の体験を機に、高齢者介護のあらゆる問題を社会と個人の両面から精力的に取材。現場のリアルを『PRESIDENT Online』で発表している。また、『DIAMOND online』ではスポーツのコラムを執筆中。

著者紹介

連載「頼れるケアマネ」と「問題なケアマネ」の見分け方

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

介護を左右する 頼れるケアマネ 問題なケアマネ

相沢 光一

河出書房新社

有能な人が担当になればラッキー。ところが、そうでない人だと…。介護サービスを受ける際の中心的な存在であるケアマネージャー。その良し悪しはどこで判断できるのか、「もっといい人を」と思ったら、どう対処すべきか。著者…

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