「『ありがとう』と夫に伝える習慣を続けている」と語る山下真理子氏

いつまで続くのか分からず、「出口の見えないトンネルのなかにいるよう」とも言われる不妊治療。女医の山下真理子氏も、そんな不妊治療で子供を授かったひとりだという。どのような問題に直面し、どう向き合ってきたのか、医師の立場から語ってもらう本連載。第9回目は、不妊治療を続ける夫婦の現実と苦悩を原稿にしたためてもらった。

母になった友人のSNSを複雑な思いで眺める女性

一方で、女性は、孤独との闘いでもある。

 

一人でクリニックを受診し、長い待ち時間を耐えて、採卵や判定待ちまでも、なかなか他の人には共有しがたい孤独を感じる。

 

難なく妊娠し、出産し、子育ての悩みを抱える友人たちのS N Sを、複雑な思いで、孤独を感じながら眺める日々を過ごす。

 

女性には、気持ちや気分などと関係なく、決まった日時(場合によっては早朝の時間)に射精しなければならない男性の気持ちははかり難いし、男性も、不妊治療クリニックに足繁く通って、長い長い待ち時間を、じりじりとした時間の中で過ごす女性の気持ちも慮りにくい。

不妊治療で夫婦の形が変わってしまったら…

不妊治療で恐ろしいのは、「永遠に成功しなくて、このまま子供ができなかったらどうしよう」ということだけではない。 

 

子供ができないまま、夫婦としての形も変わってしまって、ギクシャクした関係になってしまったらどうしよう。このまま、不妊治療を続けてうまくいかなくて、子供を持てないまま貯金がなくなったらどうしよう。

 

そして、それぞれに感じる「不妊治療をしていく中での困難さ」を、乗り越えることができるのだろうか。

 

もちろん、これは全ての人に当てはまるわけではない。

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