「宣言どおり、二浪や。」歯学部受験で「予備校をやめた」理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

「歯医者になればフェラーリに乗れる」。そんな考えから歯医者を志すようになったあづみハッピー歯科医院院長の安積中氏。しかし歯科医師になるまでの道のりは「谷あり、谷あり」だったと語ります。浪人してでもなりたいと考えていたにもかかわらず、約1年間の浪人生活を経ても模試はE判定のままでした。絶望的な現実を目の当たりにしてもはや笑うしかなく、自らE判定だと公表して周囲を笑わせました。筆者はかつて他人から笑われることを病的に恐れていましたが、笑われることで自分の勉強不足を認識し、本気で取り組めるようになったと振り返ります。

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一浪では合格圏内には至らず…

2度目の受験は、それからあっという間に訪れました。本気になったのが少々、いえ、かなり遅かったこともあり、E判定はD判定に上がりましたが、まだまだ合格圏内には届きません。

 

結果、2度目の受験も不合格でした。1度目のときよりショックは大きかったのですが、笑われることへの抵抗感が消えたおかげで、次は合格できそうな気がしていました。

 

「安積、次どうするん?」

 

受験が終わって間もなく、友達に聞かれました。難関大学志望の彼も、2度目の受験に失敗していました。

 

「俺は宣言どおり、二浪や。次は受かる。受かってみせる」と答え、

 

「そうか。また予備校でな」

 

そう言って立ち去ろうとする友達を引き止めて、私はあることを伝えました。

 

「そのことなんやけどな、俺、宅浪しようと思ってるんや」

 

宅浪とは自宅で勉強する浪人のことです。1年間の浪人生活で、私は予備校の友達と出会いました。それは貴重な出会いであり、笑われたくない病を克服し、笑われるチカラを身につけたという点で、思考、性格、価値観が変わりました。ただ、友達がいると予備校は楽しく、良い緊張感が保ちづらく、馴れ合いになってしまうという欠点があります。

 

真面目に勉強に打ち込む人もいるでしょうが、少なくとも私は、友達との楽しい付き合いに浸り、またぬるま湯に浸かってしまうだろうと思いました。絶対合格を目指すのであれば、その環境を変えなければなりません。本気にならなければなりません。そのための選択肢が、宅浪です。

 

家は相変わらず貧乏でしたので、幸か不幸か勉強の邪魔になる娯楽がありません。親の目がありますし、二浪になったことでかなりの負い目があるので、それも良いプレッシャーになります。そう考えて、ぬるま湯になりそうな予備校ではなく、勉強せざるを得ない自宅で3度目の受験に備えることにしたのです。

 

あとで聞いたことですが、友人が「安積が宅浪するって」と周りに話したところ、その話を聞いた予備校の友達が「やっと安積が本気になったか」と言っていたようです。

 

私自身、3度目の挑戦は本気でした。1年間、全力で勉強に打ち込みました。新聞配達のアルバイトと勉強に熱中していた中学生のとき以来、何年かぶりにスイッチが入った感覚がありました。結果、3度目の正直で、現役のときに受験した九州大学歯学部と同じ福岡県にある九州歯科大学に合格することができました。

 

近所の歯科医院にフェラーリが停まっているのを見て「歯医者になる」と決めてから13年、現役の人たちからは2年遅れになりましたが、ようやく私は歯医者になるための第一歩を踏み出すことができたのです。

かつては「人から笑われること」を恐れていたが…

私が恵まれているのは、自分を笑ってくれる友達に囲まれていたことです。彼らは私の模試の結果がE判定だったことを笑いましたが、私の目標を笑っていたのではありません。大きな目標があるにもかかわらず、本気で取り組もうとしない私の現状を笑っていました。つまり、言っていることとやっていることが合致していないことを、笑いを通じて指摘してくれたわけです。

 

そのことに気づいて、私も本気になれました。分からないことを素直に友達に聞けるようにもなりました。分からないことを教えてもらい、たまには私が教えることもあり(E判定ですから本当にたまにですが)、周りの力を借りながら勉強に取り組んでいくことになったのです。

 

それもとても助かったのですが、目標達成という点でさらに効果が大きかったのは、彼らが学力面だけでなく、精神的な支えにもなってくれたことです。医者志望の友達は「俺も二浪になりそうや。一緒に頑張ろうぜ」と言ってくれました。京大志望の友達は「二浪でダメなら三浪や」と励ましてくれました。E判定で笑われ、一緒に笑ったあの日がなければ、こういう言葉は掛けてもらえなかったと思います。

「笑われたくない」という気持ちは目標達成の障害物

中学校時代から患っていた「笑われたくない病」は、振り返ってみれば、目標達成の大きな阻害要因でした。笑われることを恐れて、周り、自分、目標から目を逸らし続けたせいで、3年くらいの時間を無駄にしました。

 

人生100年の時代ですから、数年の足踏みは誤差かもしれません。しかし、目標があるなら、少しくらい笑われることや、そのせいでプライドが傷つくことを恐れてはいけません。傷つかないように両手で身を守っていると、つかみたいものがあっても手が出せません。笑われたくない病を患っていたときの私はまさにそのような状態でした。

 

目標達成のためには、傷ついてもいいから両手でつかみにいくことが大事です。両手両足を使ってもがくことで、やっとつかめるものがあります。その姿はかっこ悪いかもしれませんし、無様だと笑われることもあるかもしれません。

 

しかし、目標が大きいほど、それくらいの覚悟をもってつかみに行く必要があります。それが当時を振り返って得られた目標達成の教訓です。

 

特に最近はなんでもかっこよく、スマートにこなすのがよしとされる時代です。「アホやなあ」「かっこ悪いなあ」などと言われる機会が減り、笑われることですぐに傷ついてしまう人も増えていると実感しています。なかには「笑われたら嫌だ」「傷つくのが嫌だ」という理由で目標に挑戦することを諦めてしまう人もいるかもしれません。

 

私は、努力を隠してスマートにこなすことがかっこよさだと思い込んでいました。周りに「すごい」と言われることがプライドを形成すると誤解していました。しかし、今はそれが間違いだったと思います。

 

かっこよさとは、誰に何を言われようとも、自分の目標に向かって本気で取り組む姿のことを指します。自分が他人にどう見えるかではなく、自分が何を目指し、どんなふうに取り組んでいるかがプライドを形成します。

 

つまり、いずれの場合も重要なのは自分自身であり、かっこよさもプライドも、自分のなかから生まれるものだということです。そのことを、当時の自分に伝えられたらいいのになと思います。

 

 

安積 中

あづみハッピー歯科医院院長

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あづみハッピー歯科医院 院長

生まれ育った家庭は裕福でなかったが、小学生時代に近所の歯科医院に停まっていたフェラーリを見て憧れ、歯科医を志す。

1981年大阪府立北野高校に入学するものの、学業に身が入らず大学受験に失敗。浪人時に一念発起して勉学に励み、福岡県立九州歯科大学に合格。

1993年大学卒業後、5年の勤務医と3年の雇われ院長を経て、2002年大阪市平野区にてあづみハッピー歯科医院を開業。

気取らない、庶民感覚の対応を心掛ける「町の歯医者さん」を目指している。

著者紹介

連載人生を切り開く笑いのチカラ

※本連載は、安積中氏の著書『人生を切り開く笑いのチカラ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

人生を切り開く笑いのチカラ

人生を切り開く笑いのチカラ

安積 中

幻冬舎メディアコンサルティング

人生における失敗や挫折を「笑い」に転換するための思考法とは? 日本人の4人に1人は何かしらの不満を抱えています。 老後の未来には年金不安と健康不安が待ち受けており、それに加えて、昨今ではコロナ禍での鬱々とした…

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