治療中「わが子の浪人」を愚痴った患者…院長が「自虐で返した」ワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

歯科医院は怖いところで、歯の治療は痛いもの…これが歯医者に対する共通認識でしょう。そんな中、あづみハッピー歯科医院院長の安積中氏は、開業以来、患者さんの笑顔を増やすことを医院の使命に掲げて治療を行ってきたといいます。しかし歯科治療に臨む人には、心理的に笑える状況ではないはず。同氏はどうやって笑顔を引きだしているのでしょうか? 人生設計にも仕事にも活きる「笑い」について見ていきます。

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笑わせるなら「相手を喜ばせること」が大前提

異業種の場合、例えば、営業職の人や接客業の人などは、「笑わせて相手との距離を縮めたい」と考える人もいるでしょう。その場合はネタが必要ですが、ネタを選んだり準備したりする際にも「相手を喜ばせる」ことが大前提です。

 

「どうやって笑わせようか」

 

そう考え始めると、笑いをとろうとするあまり、相手や他人のおかしなところを見つけ、それをネタにしてしまうことがあります。

 

例えば、いつも失敗してばかりの同僚をネタにしたり、まずくて評判の近所の料理店をネタにしたり、ハゲ、デブ、チビ、ブサイクなど、人の容姿を馬鹿にする悪口も、このタイプのネタに含まれます。お笑い芸人の世界では、これも笑わせるテクニックとして使われています。いわゆる毒舌やいじりと呼ばれる芸です。

 

しかし、笑いで人を引き寄せ、目標達成のヒントなどをその人たちから得たいのであれば、このタイプのネタは逆効果です。毒舌やいじりのような攻撃的な笑いは、誰かを傷つけます。目の前にいる相手は傷つかなかったとしても、その人の周りに背が低い人や太っている人がいれば、彼らは傷つくでしょうし、相手も良い気分にはなりません。

 

「面白い人だな」と思ってくれる人もいるかもしれませんが、「悪口が多い人」「人を馬鹿にする人」「デリカシーがない人」などと思われてしまうと、味方になってもらえません。目標達成のための笑わせるチカラは、相手を傷つけることなく、相手を喜ばせなければならないのです。

誰も傷つかない「自虐ネタ」が役立つ

そこで役に立つのが、自分をネタにする自虐ネタです。攻撃的な笑いは誰かを傷つけますが、その対極にある自虐ネタなら誰も傷つきません。相手を不快にさせたり相手に嫌われることもありません。

 

「自分が傷つくのでは」と思うかもしれませんが、自分が傷つくのは攻撃的な笑いをしてしまったときで、「悪口が多い人」や「人を馬鹿にする人」などと思われて、自分の評価に大きな傷がつきます。

 

私の歯科医院での例を挙げると、あるとき、息子の浪人が決まったという母親が治療に来ました。

 

「先生、うちの子ね、全然勉強しないんです。案の定、浪人です」

 

悲しそうな顔をして、そんな愚痴をこぼすわけです。そういう人を見ると、笑わせてあげたいと思います。こういうときこそ、自虐ネタです。

 

「お母さん、大丈夫です。僕は二浪ですが、こうして歯医者になることができたんですよ。しかも、在学中には留年もしています。一年留年で一留です。一留するくらいが一流なんですよ」

 

そう伝えると、母親はほっとした表情(もしかしたら呆れた表情かもしれませんが)を見せ、笑いました。

 

決して大爆笑をとるようなネタではありません。しかし、それで十分です。目標達成のために笑わせる目的は、「面白い人」と思われることではなく、誰も傷つけずに相手を笑わせ、その結果として相手が喜んだり、自分と相手の距離を縮めたりすることなのです。

失敗もコンプレックスも、相手を笑わせる「財産」

ちょっとした自虐ネタでも、相手は笑ってくれます。そう考えれば、ネタはたくさん見つかります。過去に失敗したことがない人はいませんし、誰だってコンプレックスの1つや2つはもっているものだからです。失敗やコンプレックスの話は、自分としてはあまり披露したくなく、面白いと思えないかもしれません。しかし、相手が笑ってくれて、その結果として目標達成が近づくなら、使わない手はないでしょう。失敗は財産であり、コンプレックスも財産なのです。

 

ところで、成功した経営者の自伝などを読んでいると、かっこいい話がたくさん出てきます。起死回生の事業がうまくいった、従業員をリストラすることなく経営難を乗り切った、利益はあとからついてくる、リスクを取らなければ成長はない、など…。もちろん、このような話から学べることはたくさんあります。夢や目標をもつ人は、成功者の美談に触れることで刺激を受けたり、奮起したりするものです。

 

ただ、順風満帆に生きてきた人はいません。誰もがどこかでつまずき、失敗したり失態をさらしています。優れた経営者も例外ではなく、失敗しているはずです。挑戦の数が成功する確率に結びつくとすれば、成功者ほどたくさん失敗しています。

 

相手を笑わせるという点から見ると、重要なのは失敗です。成功につながった光の部分ではなく、失敗、失態、後悔、恥といった陰の部分があるからこそ、人間味が伝わり、親近感が湧き、信頼感が生まれ、その結果として笑顔になってくれるわけです。

 

美談を聞いても笑えません。失敗談は笑えます。つまり、「谷あり、谷あり」の人生を歩み、たくさん壁にぶつかってきた人ほど、自分では意識していないかもしれませんが、上質な自虐ネタがたくさん詰まったネタ帳をもっているのです。

 

 

安積 中

あづみハッピー歯科医院院長

 

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あづみハッピー歯科医院 院長

生まれ育った家庭は裕福でなかったが、小学生時代に近所の歯科医院に停まっていたフェラーリを見て憧れ、歯科医を志す。

1981年大阪府立北野高校に入学するものの、学業に身が入らず大学受験に失敗。浪人時に一念発起して勉学に励み、福岡県立九州歯科大学に合格。

1993年大学卒業後、5年の勤務医と3年の雇われ院長を経て、2002年大阪市平野区にてあづみハッピー歯科医院を開業。

気取らない、庶民感覚の対応を心掛ける「町の歯医者さん」を目指している。

著者紹介

連載人生を切り開く笑いのチカラ

※本連載は、安積中氏の著書『人生を切り開く笑いのチカラ』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

人生を切り開く笑いのチカラ

人生を切り開く笑いのチカラ

安積 中

幻冬舎メディアコンサルティング

人生における失敗や挫折を「笑い」に転換するための思考法とは? 日本人の4人に1人は何かしらの不満を抱えています。 老後の未来には年金不安と健康不安が待ち受けており、それに加えて、昨今ではコロナ禍での鬱々とした…

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