景気の減速傾向が鮮明
■中国国家統計局は18日、主要経済指標を発表しました。7-9月期の実質GDP成長率は前年同期比+4.9%と、6期連続のプラス成長ながら、4-6月期の+7.9%から伸び率が縮小し、景気の減速傾向が明らかになりました。前期比の伸び率は+0.2%とほぼ横ばいでした。7~8月にコロナ感染対策のために移動制限を強め、消費が低迷したことに加え、不動産規制強化に伴う不動産大手の経営不安や電力の供給制限の影響を受けたことなどが要因とみられます。
生産、投資、消費も減速
■1~9月の鉱工業生産は前年同期比+11.8%と、1~6月の+15.9%から減速しました。コロナショックの影響を受けた昨年の反動を除外するため、2年間の幾何平均値でみても、1~9月は+6.4%と、1~6月(+7.0%)から減速しました。
■1~9月の固定資産投資は前年同期比+7.3%と、1~6月の+12.6%から減速しました。幾何平均値でも、1~9月は+4.0%と、1~6月(+4.5%)から減速しました。
■1~9月の小売売上高も前年同期比+16.4%と、1~6月の+23.0%から減速しました。幾何平均値でも、1~9月は+3.9%と、1~6月(+4.4%)から減速しました。
中国経済は減速するも底割れは回避
■中国経済は減速傾向にあることが明らかですが、コロナ感染がすでに収まっており、国家統計局は、電力規制による生産全体への影響や、不動産業の減速ペースについては管理可能な範囲内と判断していることから、政府の対応で景気の底割れは回避されるとみられます。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『中国の7-9月期GDP成長率は4.9%に減速』を参照)。
(2021年10月19日)
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