第二子の不妊治療、待合室での視線
おそらく、「そこまでして」と思う人もいるだろう。中には、「元気で健康な男の子を授かったんだから、欲張るな」と思う人もいるだろう。
二人目不妊で悩む人は、皆、そんな批判を浴びながら、治療に通う。
「子供もまだ1歳にもならないのに」
「今は別のことを頑張るべきでは」
そんな風にも言われた。
不妊治療の受診は、数日前(場合によっては前日)に初めて予定が決まることも多いため、預け先がなく、NOAHを連れて受診する日もある。
そんな日は、なんとなく待合室での視線が痛く感じる。小さい乳児を連れて受診しているママは、どこか後ろめたいような気持ちで、待合室の隅に座る。時々、NOAHに笑いかけてくれる人がいると、すごく嬉しくなる。
羨ましくて、時には妬ましくて
けれど、私もつい一年半ほど前までは「そちら側」だった。先の見えない不妊治療を続けて、いつ妊娠するかわからなかったあの時、「二人目不妊」で受診しているママさんを見て、心から笑顔を向けてあげられたかというと、自信がない。羨ましくて、時には妬ましくて、嫉妬心を感じる自分が嫌だった。
子供が全てではないと思う。一人っ子の方が、じっくり向き合って、お金も時間も存分にかけてあげられると思う。今のところ「一人っ子」の息子NOAHは、ママが大好きなママっ子で、抱っこが大好き。寝る時もご飯もお風呂も、ママには抱っこをせがんで甘えてくる。泣いていたらすぐに飛んでいくし、手を伸ばされれば抱っこするし、どこに行くにも一緒に出かけられる。
二人目がいたら、今のようにはできないし、我慢させることも出てくるだろう。今よりもっと、自分の時間はなくなるだろう。
産後最初の採卵をするも卵子は自死
この原稿を書いている今日、二人目の「卵」を採卵した。同じくらいの年齢の人であれば数個以上は取れるはずの卵だが、今回も、たった一つだけ、卵が採取できた。けれども、無事に受精するかどうかは明日にならないとわからない。
既に一度、出産後に行った採卵では、精子と受精することなく、卵は自死してしまった。残存卵胞数が少なく、もうすぐ36歳になる私は、妊娠出産に遅すぎることはないけれど決して若くはない。
不妊治療を始めたのは31歳。気がついたら5年が経っていた。