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PE、航空機リース&ファイナンス産業で「活発化」
航空機リース会社の市場関係者によれば、既存の投資家と新たな投資家からの資本の波が現在のマージンを押し下げており、特にセールアンドリースバックにおいてそれが顕著であると言う。
しかしまた、その傾向が、リース機の取引を復活させることを後押ししている。プライベート・エクイティ(以下PE)、また多様な専門ファンドやアセットマネージャーの存在は、パンデミック以来、航空機リースおよび航空ファイナンス産業で特にアクティブな存在となっている。
2021年9月、世界有数の投資会社であるKKRは、プライベートジェットチャータービジネスであるジェットエッジインターナショナルへ、さらに優先出資4,000万ドルを投資した。同社は2019年にアセットマネージャーAltavairと提携し、今年6月には航空機の専門的な貸し手となるAV AirFinanceの立ち上げも後押しした。
Griffin Globalアセットマネジメント(Griffin)も、PEファンドが後押しする航空機リース会社の直近の例である。Griffinの創設者兼CEOであるRyan McKenna氏によると、2020年1月にプラットフォームを立ち上げるため、ベインキャピタルと提携した。9月、同社は5つの新造機737Max8を5機発注したと公表している。1月にIshkaと話したMcKenna氏は、「Griffinは柔軟性があり、幅広いレンジの航空機リースへの投資と融資する意欲がある」と強調した。
Ares Private Equity GroupとVmoのマネージメントチームは、2021年1月にVmo航空機リース事業を開始した。その際、5億ドルの初期自己資本を集めた。この二社の事業体は、投げ売りやリストラクチャリングされた航空機デッドを購入するアクティブ投資家である(Norwegian’s 2016-1 EETC and LATAM’s 2015-1 EETC含む)。また、両社はリース会社での経験値があるエグゼクティブを複数人採用しており、直近ではMarilyn Gan氏をアジア太平洋地域の責任者として採用している。
「機密情報などありません。超低金利の環境では、PEファンドはリターンを高めるために資本を投入することに努めており、航空リースは、特に市場が混乱している状況において、我々に機会を提供しています。以前はリースプラットフォームのシードキャピタルとして投資していたいくつかのファンドがその事業から撤退し、現在、またこの分野に戻ってきています」
Watson Farely &Williamsのロンドンのパートナーであり、グローバル航空セクターの共同責任者であるJim Bell氏は説明する。
「PEファンドは幅広い投資家を対象としています。これらの新しい航空投資とプラットフォームについては、全員が異なる野心の対象と出口戦略を持っています。彼らはまた、アプローチには非常にオープンであり、顧客のニーズを満たすためにオペレーティングリースとファイナンスの両方を提供します。2021年に一部の貸し手を驚かせたのは、このセクターに対する投資家の意欲がいかに強いかということです」
と、同氏は付け加えた。
「レッサーポートフォリオ取引」への関心
「ファンドや資産運用会社との競争はさらに激しくなる可能性があるが、一般的には、特定の種類の取引や航空会社の信用にその手法は向けられている」と、市場関係者のリース会社は打ち明ける。多くのファンドが長期リースの新しい航空機SLBを好み、市場がそこを狙うため、リターンが〈信じられないほど細っている〉と、リース会社の担当者は憤慨している。また、ほかのファンドは、リースされた航空機ポートフォリオの入札に積極的に参加しており、今年の4月と5月には、リースポートフォリオが市場を打撃した(詳細は、‘Trading update: Bocomm reviews off-shore portfolio bids, Castlelake sells Delta 737s’ and ‘Trading update: Avolon signs LOIs for 12 aircraft, GECAS returns with revised portfolio’ 参照)。
市場関係者によると、2021年のABS市場の再開は、提供されているポートフォリオの情報を市場にPRするだけでなく、資産を取得する投資家への信頼を高めるためにも役立った。
「これらの多くは、安価な債務を利用できる米国を拠点とするファンドによって推進されています。多くの人がこれらのポートフォリオに群がるのを見ましたが、これらのポートフォリオは、新しい買い手のために組み立てられ、かなり厳しいマンデートを負う傾向にあります。新規のバイヤーは状態の良い長期のリースと優良のクレジットを必要としています。彼らは、これは現行機/次世代機のような形でややアグノスティックです。ただ商品を買う必要があるだけのようです。このようなやり方は、一部の人には役に立つでしょうが、そうでなければ考え方を見失います」
欧州のリース関係者は、Ishkaに対し今夏のはじめに説明した。
また前述の関係者によると、多くの米国ファンドがおそらく今年の上半期時点では、5%未満で借入ができ、多くが平均して6%もしくは7%のエクイティリターンのハードルを抱えていると推測する。
「つまり関係者は、プラットフォームにチャージする前に、6%または7%の見返りですべてが揃う状態です。また、質の高い中古機の取引、もしくは現行機で平均15%のリターンを約束しているファンドがあることも把握していますが、このような取引を行うことは実際不可能です。リースがついていない航空機を扱ったり、トリッキーな銘柄や、航空機の残価に非常に積極的に取り組んだりすることで、このようなことが起こっているのではないかと思っています。当社の引き受けに基づいた情報となりますが、強力なクレジットと若い資産を備えた最近のポートフォリオは、おそらく3%から6%の1桁のアンレバードリターンを生み出しています」
「我々が観測していないのは、裸の航空機や単一のエンジンを取得するファンドです。多くの場合、それらのエクイティやデッドの義務により、裸の航空機を配置することができません。これらのファンドは、リース付きでない裸の航空機を購入するための資金はエクイティを用いなければならず、デッドを利用することはほぼ不可能です」
とも付け加えた。