前回は、楽器可防音賃貸マンションに用いられている「サウンドプルーフ構造」について説明しました。今回は、ドラムなどを演奏する人を想定した設計・構造である「サウンドプルーフプロ」について見ていきます。

重低音が発生する楽器は「振動」の対策も必要に

サウンドプルーフプロは、ドラムや金管楽器を演奏する人を想定した設計・構造となっています。

 

現在国内にある全戸防音構造の賃貸マンションの遮音性能は、二重防音構造(ボックス・イン・ボックス工法)とした70~80デシベル(500ヘルツ)がおおむね遮音性能の上限となっています。

 

しかし、これではまだ全ての楽器が思う存分に演奏できるようになるのには不十分です。もちろんグランドピアノやギター、サックス(木管楽器)の演奏であれば全く問題ありませんが、ドラム・金管楽器の演奏を可能とするためには、より高いレベルの防音性能が求められます。

 

というのも、ドラムやコントラバスなどの重低音を発生する楽器は、騒音よりもむしろ振動が問題となることが多いのです。ひとたびコンクリートの躯体に振動がもたらされると、隣接住戸だけでなく階を飛び越えて、建物全体の住戸に振動を伝えてしまうおそれがあります。

「振動」による他の入居者への被害は深刻

実際、当社が開発した約80デシベル(実測値)の遮音性能をもつ物件で電子ドラムを演奏する人の入居を試しに受け入れてみたところ、問題が起こったことがありました。

 

「電子ドラムなら音量を調整できるので大丈夫であろう」と思っていたのですが、その人は6階に入居していたのにもかかわらず、8階や3階などの入居者から「振動を感じる!」と階を飛び越えてクレームが寄せられてしまったのです。

 

しかも、振動が他の入居者に与える〝被害〞は、騒音と同等かそれ以上に深刻なものになる可能性があります。たとえば、気象庁は振動の大きさを下記の図表のような形で表しています。

 

[図表]振動の大きさの目安

 

ご覧のように、75デシベル以上の振動レベルは、恐怖感を覚える人もいるほどのダメージを周囲にもたらすおそれがあるのです。

 

この話は次回に続きます。

本連載は、2016年3月1日刊行の書籍『"楽器可防音マンション経営"で実現する鉄壁の資産防衛』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

"楽器可防音マンション経営"で 実現する鉄壁の資産防衛

"楽器可防音マンション経営"で 実現する鉄壁の資産防衛

大塚 五郎右エ門

幻冬舎メディアコンサルティング

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