今回は、経営者の行動・心理から見つけることができる経営危機のシグナルについて見ていきます。※本連載は、株式会社アセットアシストコンサルタントのCEO兼統括コンサルタントを務める大森雅美氏の著書、『銀行から融資を受ける前に読む』(旬報社)の中から一部を抜粋し、中小企業経営者が自社の問題点をいち早く察知し、スムーズな資金繰りと堅実な事業経営を実現するためのポイントを紹介します。

自分の貯金などを会社につぎ込む人も多いが…

前回の続きです。

 

「こんな兆候が現われたら要注意!」の二つ目は、兆候①と中身は同じことですが、会社に自己資金を入れようと思ったとき、もしくは、入れたときです。銀行には行かないけれども、自分の貯金など、ストックのお金を会社につぎ込む人がいます。

 

銀行から借りるのは、返さなければいけないし、利息がつくから嫌だ、身内などから借りてお金を会社に入れればなんとかなると思っているのだったら、それがシグナルです。慢性的に足りないのかもしれないぞ、と振り返りましょう。

経営者としての「マズいな」というカンも見逃せない

「こんな兆候が現われたら要注意!」の三つ目は、経営者が、漠然とした感覚として、売上げが伸びなくて、このままではマズいのではないかと頭に浮かんだときです。カンみたいなもの、フィーリングというか、感覚ですね。

 

「景気悪いな、うちも。このままでは人を切らなければいけないかな」などという思いがふと心をよぎる。そういうときは、何か気になることがあるはずです。ふだんはあまり意識しないけれど、忍び寄る危機が社長の心に反映するんです。そんなときには、立ち止まって会社のありようをいろいろな角度から見直すとよいでしょう。

 

そのほかに多く見られる兆候としては、今までのものとちょっと違いますが、家族に会社のことを話さなくなることです。会社のことを家庭に持ち込んではいけないと思って、悩みがあればあるほど家族に黙っているという傾向があります。

銀行から融資を受ける前に読む

銀行から融資を受ける前に読む

大森 雅美

旬報社

事業が難しい状況になれば、誰でも憂鬱でうなだれてしまうものです。ですが、ここで差が出ます。この本なら、うなだれずに、顔をあげて前に進む心構えと考え方を持てるでしょう。 日常的なことから、いざという時に役立つ知識…

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