『鬼滅の刃』の世界的ブームで日本への関心高まる
コロナ禍でも、日本に対する関心は失われていません。それを象徴するのが全世界的な『鬼滅の刃』ブームです。『鬼滅の刃』は、鬼に家族を殺された少年が、鬼となった妹を救うために剣技を磨き、襲いかかってくる鬼たちと戦う物語で、少年誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載されていました。
2020年、2021年にコミック、映画とも爆発的なヒットを記録して大きな話題を呼んだのは記憶に新しいところです。
同作品は、アメリカ、台湾、香港、シンガポール、ベトナムなど海外でも相次いで上映され、2020年12月時点で全世界興行収入は320億円に達しています。米メディアでも「今年最高の物語」「圧倒的な成功」と称賛されたと報じられています(ENCOUNT編集部『鬼滅の刃』20年世界興行収入3位の偉業米メディア称賛「今年最高の物語」より)。
海外投資家の「日本に対する投資」も拡大中
このように日本への注目度が高まっているのと軌を一にするかのように、海外投資家の日本に対する投資も拡大しています。
たとえば、2020年8月30日付の日本経済新聞では、近年、日本企業が海外投資家から株式による資金調達を増やしている実情が明らかにされています。それによれば、2020年1~8月の調達額に占める海外比率は約7割と前年同期の3割から急上昇し、2010年以降で最高となりました。
また、調査会社ディールロジックによると、1~8月の海外投資家からの資金調達額(公募増資や売り出しなど)は約65億ドル(約6800億円)と前年同期から約8割増えています。
このように海外から資金を呼び込む動きが日本企業の間で活発化している背景として、日本経済新聞の記事では米バンク・オブ・アメリカ日本法人の長田州之介・資本市場部門長によって次のような指摘がなされています。
・国内は個人が主なリスクマネーの供給元で、投資家保護のための目論見書作成など手間がかかる。
・海外は早ければ発行を決めて数日内に調達できる。投資を即断できる機関投資家も多い。
・国内ではコロナ禍で大手証券会社が対面営業を自粛し、株式販売が難しくなった。海外は機関投資家にテレワークが浸透しスムーズに執行できた。
中小企業であっても海外からの投資を得られる可能性大
海外の投資家が投資対象としているのは大手企業だけではありません。まだ生まれたばかりのスタートアップ企業に対する投資も活発化しているのです。
2021年3月30日付の日本経済新聞では、「スタートアップに海外マネー流入ペイディ、130億円調達」というタイトルで、海外投資家が国内スタートアップへの投資を加速させている状況が伝えられています。
それによれば、近年だけでも国内新興企業に対して以下のような投資がなされています(上から社名〈事業内容〉、調達額、主な投資家または海外比率)。
ヘイ〈ECサイト開設支援〉約70億円 ベインキャピタル(米)
アンドパッド〈施工管理アプリ〉約20億円 セコイア・キャピタル(米)
ペイディ〈後払い決済〉約130億円 ウェリントン・マネジメント(米)
フリー〈クラウド会計ソフト〉約371億円 70%
プレイド〈消費者行動の分析ソフト〉約241億円 78%
ヤプリ〈アプリ開発プラットフォーム〉約176億円 50%
ココナラ〈スキル共有サービス〉約167億円 56%
(注)アンドパッドの調達額は国内投資家も含む。市場吸収額の海外比率は、海外での公募・売り出し枚数(オーバーアロットメント含む)で割って算出
ベンチャー企業への海外からの投資が活発化しているこのような現状を見ても、きちんと情報を発信しさえすれば、地方の中小企業が海外からの投資を集められる可能性は以前に比べて格段に高まっているといえます。
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