(※画像はイメージです/PIXTA)

厚生労働省が2021年に発表した簡易生命表で、2020年の日本人の平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳となり、ともに過去最高を更新しました。世界一の長寿社会と呼ばれる日本においては、若いうちから生涯のライフ・マネープランについて考えることは非常に重要です。しかし、一般的に高所得といわれる医師のなかには、稼ぎがあるため先々のお金について楽観視している人もいるのではないでしょうか。今回は、医師の人生に必要となるお金のことについて紹介します。

開業資金、教育費、老後…医師が準備すべき生涯資産

30〜40歳代の勤務医の平均年収は1500万円前後といわれており、同年代の一般サラリーマンの平均年収と比べると間違いなく高所得といえます。しかし、それ故に生活のレベルも高く、日々の生活費は高額になっています。近年の家計調査(総務省)によると、年収1500万円世帯の1ヵ月の消費支出は約45万円で、年額に換算すると約540万円になります。もし、この生活レベルを35〜90歳まで維持し続けた場合、消費支出の総額は3億円超にのぼります。

 

また、子どもがいる場合に絶対に必要となるのが教育費です。どんな進路に進むにせよ少なくない金額がかかる事柄ですが、もし子どもが自分と同じ医師としての道を志すことになった場合、その金額は通常よりも大きく膨らみます。

 

医学系進学予備校の学費は、グループ・個人など学習方法によって異なるものの年間200〜600万円程度かかるといわれています。そして、無事に医学部に進学できた場合も、学費として国公立大で約350万円、私立大なら安いところで約3000万円、高額なところでは約5,000万円程度を6年間で支払わなくてはなりません。自宅から通える距離の大学に進学できればこれに通学費を加えた金額でおさまりますが、他県の大学に受かった場合などは子どもが一人暮らしをするための費用もかかってきます。

 

そのほかにも、小・中学生時代の家庭教師代や塾代など、医学部進学にはかけようと思えばいくらでもお金をかけることができるでしょう。さまざまなことを考慮するならば、余裕を持って1億円程度は準備をしておきたいところです。

 

さらに、家族のことだけでなく自身の将来の展望についても考えてみましょう。例えば勤務医としてキャリアをスタートし、将来的には自分のクリニックを開業したいと考えている場合、その開業資金を用意する必要がでてきます。場所や診療科目によって幅はありますが、一般的にクリニックを開業するときに必要となる資金は最低でも1億円程度。

 

これには、土地・建物の購入代金や内装工事費だけでなく、X線撮影装置や超音波診断装置など各設備費用などが含まれますが、最新の医療機器を揃えるか、最低限の設備で始めるかなど、個人の考え方によってもかかる金額は変わってきます。また、開業してすぐに経営が軌道に乗るとは限らないため、当面の運転資金や生活費なども念頭に入れておくといいかもしれません。

多忙を極める医師でもできる長期的な資産形成

一例ではありますが、医師が自身のクリニックを開業し、子どもを医師として独立させ、リタイア後は夫婦水入らずの幸せな老後生活をおくりたい場合は、開業資金と教育費に1億円、生活費に3億円と、少なくとも5億円程度の資金を捻出する必要があることがわかりました。医師の年収1500万円のうち500万円が年間生活費とすると、手元に残るのは1000万円になります。5億円という金額は、これを有意義に使って資産運用をしていかなければ、なかなか賄えるものではないでしょう。

 

株式投資や手軽な副収入として人気のインターネットショップなど、資産運用法にはさまざまな手段がありますが、昼夜を問わず激務をこなし続けている医師にとって、いずれも高いハードルがあります。

 

そのため選ぶ際は「予備知識がそれほど必要ない」「運営・管理に時間を取られない」「目標金額までの資産形成の道筋が具体的に描ける」の3つの条件に注目してみてください。

 

例えば「不動産運用」であれば、資産形成が比較的単純なので苦労せず身につけることができます。家賃の収入や建物の修理、リフォームの手配など、物件の管理に関してはプロの管理会社に任せることができるので、時間を取られにくいのもポイントです。収入源となる家賃を毎月安定して得られるので資産形成の道筋がイメージしやすいことからも、多忙な医師にも適している運用方法といえるでしょう。

 

世間では、老後30年間で約2,000万円が不足するという「老後2000万円問題」に頭を悩ませている人が多くいます。一般的に高所得であるため、このような問題には縁がなさそうな医師ですが、それは危険な思い込みかもしれません。子どもたちを養い、リタイア後の人生を諦めないためにも、いま一度これから必要となる生涯資産の総額を割り出して、長期的な資産形成について考えてみてはいかかでしょうか。
 

 

 

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