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医療法人のM&Aでは、どのような手法が用いられるのでしょうか? 法人の種類によって異なるスキームについて見ていきましょう。

医療法人のM&A…気になる相場は?

医療法人のM&Aを実施すると利益を受け取れます。具体的にどのくらいの金額が相場なのか、計算方法や税金について知っておくことが大切です。

 

■純資産、のれん代がベースになる

中小規模の医療法人で法人価値算定を実施するには「時価純資産額+営業権(のれん代)」で計算が可能です。時価純資産は法人の持っている資産から負債を差し引いて求めます。

 

またのれん代とは無形固定資産の一種で、評判・信頼・顧客関係などを指します。医療法人では、有名な医師が在籍していることや、難しい手術の症例件数・立地条件などをいいます。

 

ほかに過去の売買の事例を元に求める「マーケットアプローチ」や、将来の価値から現在の企業価値を求める「インカムアプローチ」もあります。

 

ただし一般的な企業の価値算出方法と異なり、医療法人に関しては代表的な価値評価方法はありません。正確性を高めるために、複数の計算方法で求めるのが一般的です。

 

■発生する税金を把握しておこう

出資持分の譲渡によりM&Aを実施すると「譲渡所得」を得られます。譲渡所得を求めるには、譲渡価格から取得価格と譲渡にかかった経費を差し引きましょう。この金額に対し「法人税」や「消費税」が課されます。

 

また出資持分を時価より安く売却した場合には、買い手への贈与とみなされる点に注意しましょう。買い手は受贈益として計上しなければならず、贈与税がかかるケースもあります。

医療法人のM&Aは特殊なので細心の注意を

医療法人のM&Aは、法人の種類によって用いられる手法が異なる点に注意しましょう。持分あり医療法人では出資持分の譲渡によるM&Aが一般的です。一方、持分なし医療法人では、合併や事業譲渡が行われます。

 

必要な行政手続も医療法人の種類ごとに違うため、医療法人に特化した仲介会社やアドバイザリーにサポートを依頼するとよいでしょう。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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