「売上至上主義からの解放」…経営者の真意は?
佰食屋の経営目標は、「1日100食」のみ。「そんなにうまくいくわけがない?」果たしてそうでしょうか。そもそもいまの時代、中長期経営計画を立てたとして、いったいどれほどの企業がそれを達成できるのでしょうか。
少子高齢化で日本の労働力人口は減りつづけ、可処分所得は減り、景気動向が上がろうが下がろうが、庶民の暮らしは苦しいばかり。そんな状況で、「前年対比増」を目指しつづけること自体ナンセンスだと思いませんか?
自社努力でシェアを伸ばしつづければ、「不可能」とは言いきれないでしょう。けれどもこの多様性の時代、人によって好みも異なり、その好みすらすぐに変化し、選択肢は増えつづけています。「右肩上がり」のグラフなんて、もはや幻想です。
佰食屋は、右肩上がりの成長を求めません。
中長期的に、「○年に○店舗を出店し、年商○億円を目指します」といった目標は絶対に掲げません。
そして、従業員にも個別の目標はありません。「社員一人ひとりにKPI(重要業績評価指標)を設定する」といったアドバイスも聞きますが、佰食屋にはKPIなんていりません。
なぜなら、「お客様からお褒めの声を○件もらう」「1日○枚ビラを撒く」などと数値目標化すると、それを達成することが「会社のため」「経営者(上長)に評価してもらうため」になってしまい、「もっと頑張って、売上を上げなければ」という意識になってしまうからです。
わたしは経営者として、従業員みんなに、「もっと売上を上げなければ」というマインドから解放されてほしい、と思っています。
会社や経営者のご機嫌とりをするのではなく、もっと楽しく働けるようになるため、お客様に喜んでいただくために、できることに取り組んでもらいたいのです。
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