「どんな人も即戦力」やる気に溢れる人なんていらない
経営者の方と話をしていると、よくこんな声を聞きます。「優秀な人材は大企業志向で、なかなかウチの会社に来てくれない」「最近の若者は採用してもすぐに辞めてしまう。堪え性がない」。
たしかに、いまは労働者人口も不足し、特に中小企業にとっては、人を採用するのもひと苦労な時代です。せっかく採用した人がすぐに辞めてしまえば、そう愚痴を言いたくなるのもわかります。
しかも、わたしたちが属しているのは、より深刻な人手不足に直面する飲食業界です。
講演でも「どうやって従業員を採用しているのですか?」「教育はどうされていますか?」と頻繁に聞かれます。
佰食屋は、基本的にハローワークでしか求人を出しません。多くの企業が採用広告にかなりのお金をかけているようですが、わたしたちの会社は「掲載料0円」です。そうお答えすると、「ハローワークだと、なかなか採用基準を満たすような人が見つからない」「もっと仕事ができる人を採用したい」などと返されることもあります。
そもそも「仕事ができる人」って、どんな人でしょうか。「営業をバリバリ頑張ります!」と意欲的な人。「もっとこういうふうにしたら売上が伸びるのではないでしょうか?」と自ら企画やアイデアを提案できる人。きっとそんな人は、いろんな企業から引っ張りだこでしょう。
けれども、佰食屋ではそういった方は採用しません。
実際、「報道で佰食屋を知った」という地元の大学生が「新卒社員として採用してもらえませんか」と電話をかけてきてくれたのですが、夫は「テレビを見てすぐに電話をかけられるくらいの行動力があるなら、絶対ほかの会社がええで」と断っていました。
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