日本人の誰もが残すことができる、「人生の最大遺物」とは? (※写真はイメージです/PIXTA)

40代までは、ライフのなかでも、日々の「生活」に意識が向き、「仕事と生活の調和」が関心の的になってきたかもしれません。これに対し、40~50代の世代にとって、いま求められるのはワークライフバランスではなく、ライフデザインであり、新たな人生戦略をどう描くかが問われています。※本連載は、久恒啓一氏の著書『50歳からの人生戦略は「図」で考える』(プレジデント社)より一部を抜粋・再編集したものです。

【期間限定/参加特典付】
医師だけしか買えない「不動産投資物件」ご紹介WEBセミナー 

「ライフ」にはの3つの意味がある

ワークライフバランスのライフは一般的に「生活」を意味しますが、ライフはもっと幅の広い意味を持っています。

 

英語の「life」の意味を辞書で調べると、「生活(暮らし、日常生活)」「人生(生涯)」「生命(命あるもの)」という意味が出てきます。

 

語源はおそらく「生命」を意味する言葉で、調べてみると、派生語として「のこる(残る・遺る)」「のこす(残す・遺す)」という意味の言葉もあります(「leave=残す」につながる語)。生命の連綿たるつながりが想起されます。

 

私たちは、ライフというと、もっぱら「生活」や「人生」を思い浮かべますが、もう1つ大切なのは、何代にもわたる「生命」のつながりという意味のライフです。

 

自分は連綿と続く生命の歴史のなかにいる。自分はその生命の遺産を受け継いだ存在であり、そしてまた、命の遺産を次世代に引き渡す存在である。受け継ぎ、受け渡す。

 

そのとき、私たちは何を次世代に残せばいいのでしょうか。

 

明治時代の日本の知識人に大きな思想的影響を及ぼした人物に内村鑑三というキリスト教思想家がいます。内村鑑三は、著作『代表的日本人』のなかで、欧米の人々に向け、「日本人がいかに優れた民族であるか」を伝えるため、二宮尊徳、西郷隆盛、上杉鷹山、日蓮上人ら、歴史上の偉人の生涯を紹介し、日本的な道徳や倫理の美しさを切々と説きました。

 

その内村鑑三は代表的著作『後世への最大遺物』のなかで、「この世の中を、私が死ぬときは、私の生まれたときよりは少しなりともよくしてゆこうではないか」と説きました。

 

そのために、人は何を残せばいいのでしょうか。

 

お金儲けが得意な人はお金を、事業が得意な人は事業を、文章を書くことができて、本を出版できる人は思想を残す。しかし、そのいずれの才能もない人はどうすればいいのか。

 

内村鑑三は、誰にでも残すことができる「最大遺物」があるとして、それは「勇ましい高尚なる生涯」であると説くのです。

 

もちろん、「勇ましさ」や「高尚さ」は人それぞれでしょう。「自分は勇ましくもないし、高尚なる生涯など送っていない」と思われる人も多いのではないでしょうか。

 

ただ、「あの人はあの人でいい生き方をした」「いろいろ大変なこともあったけれど、あの人らしい人生だった」といわれるような生き方は、その人にしかできない。それも、1つの「高尚なる生涯」といえるのではないでしょうか。

 

ライフワークとは、生涯をかけて、人生のテーマを持って続けることがらのことです。その結果として、自分は何をしたかを残すことができる。

 

そして、次世代に引き継ぎ、つないでいけるような人生をまっとうすることができる。それが本当のライフワークではないでしょうか。

50代に求められる「ライフコンシャス」な生き方

ワークも、辞書で調べると、「(ある目的を持って努力して行う)仕事、労働、作業、努力、勉強、研究/(なすべき)仕事、任務、務め」といった意味が出てきます。

 

要は、自ら動いて力を発揮する行為をいうのでしょう。

 

日々の生活でのワークが、生涯を通じての人生のワークにつながり、次世代に残すワークとなる。「生活」「人生」「生命」のいずれにもつながるワークを見つけることができていたら、それを天職というのでしょう。まさにライフワークの理想像です。

 

その天職は、本連載が読者として想定する40〜50代の世代の場合、「公」の領域に属することになるでしょうが、「私」の領域にあるかもしれませんし、「公」と「私」の両方に属するかもしれません。

 

人間は誰しも、世界の動きという空間軸と、時代の流れという時間軸が交わるところに生きています。ポストコロナの社会では、そのいずれもが大きく変化しようとしています。現代はいわば、海図なき時代といってもいいでしょう。

 

 

久恒 啓一

多摩大学大学院客員教授・宮城大学名誉教授・多摩大学名誉教授

 

 

↓コチラも読まれています 

【医師限定】1時間で不動産投資の“すべて”がわかるWEBセミナー

 

年収1500万円前後だが…勤務医が「資産10億円」になれるワケ

多摩大学大学院 客員教授
宮城大学 名誉教授
多摩大学 名誉教授 

1950年、大分県中津市生まれ。九州大学法学部卒業。

1973年、日本航空に入社。広報課長、経営企画担当次長などを歴任した。一方、社外の「知的生産の技術」研究会で活動を重ね、図解コミュニケーションの理論と技術を開発し、1990年に初の単著『コミュニケーションのための図解の技術』(日本実業出版社)を刊行した。

1997年、早期退職し、新設の県立宮城大学教授(事業構想学部)に就任。学生部長、キャリア開発室長、大学院研究科長、総合情報センター長、学長補佐などを歴任。また、国土交通省や経済産業省の環境政策、人材育成の研究会委員、宮城県の行政改革、長期総合計画、農業など27の委員会委員長、委員を務めるなど地域活性化に貢献した。

2008年、多摩大学経営情報学部教授に就任。2012年、経営情報学部長、2015年、副学長、2019年、多摩大学特任教授、多摩大学総合研究所所長を歴任し、2021年より現職。

NPO法人知的生産の技術研究会理事長。「日本人のアタマの革命(図解)とココロの革命(人物研究)」をライフワークとする。両分野の著書は100冊以上、『久恒啓一図解コミュニケーション全集』全10巻(日本地域社会研究所)を刊行中。

久恒啓一図解WEB:http://www.hisatune.net/
図解塾:https://note.com/metakit/m/mf7154ea1785b

著者紹介

連載50歳からの人生戦略は「図」で考える

50歳からの人生戦略は「図」で考える

50歳からの人生戦略は「図」で考える

久恒 啓一

プレジデント社

「人生鳥瞰図」で仕事も人生もうまくいく! 大人のためのキャリアデザインの教科書。 私は日本人の「アタマの革命(図解)」と「ココロの革命(遅咲きの人物伝)」の二つをライフワークとしている──。 こう語るのは、…

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧