今回は、空室対策になるだけでなく、経費の負担も少ないリフォームとはどのようなものかを見ていきます。※本連載は、佐久川靖行氏の新刊で、2015年8月に刊行された『「出口」から考える賃貸経営の収益改善計画』(カナリアコミュニケーションズ)の中から一部を抜粋し、賃貸経営としてのリフォームの考え方を紹介します。

明るく白っぽいものを選ぶなど「デザイン性」も考える

最初に結論を簡単に申し上げますと、現状回復などの修繕やリフォームをするにしても、少しアイデアやデザイン性を考えてやることが大切です。

 

最近では少なくなりましたが、和室に緑色のじゅらく柄のクロスが張っていたとします。そのクロスが汚れてきたので張り替えようとしたとき、何かしらのデザイン的な意図があってそうするのなら構いませんが、特に何も考えずにまた同じ緑色のじゅらく柄のクロスを張ってしまうと、お金をかけても古いイメージの部屋しかできないわけですから、それは無駄金になる可能性があります。

 

同じぐらいのコストを払うなら、明るい白っぽいものを選ぶとか、少しだけ費用はかかりますが一面だけ雰囲気のある、アクセントクロスを選んで張るなどすると、コストを抑えながら部屋の雰囲気を変えることができます。

 

同様に、床がカーペットのワンルームも単にカーペットを張替えるのではなく、クッションシートとCFシート(ビニルシート)などの材質で、フローリング調や他の柄を選ぶのも良いですし、どうせなら、フロアタイルでもっとオシャレに質感を出すよう考えて張替えるなどを検討するのも良いと思います。

耐用年数、デザイン性の面で優秀な「フロアタイル」

フロアタイルをご存じないという家主さんの為に少し補足させて頂きますと、クッションフロアは㎡当たり2000円~2500円前後、フロアタイルは㎡当たり3500円~4000円程度のお金がかかります。

 

フロアタイルの方が少し高くなりますが、単身用の物件の場合床面積も広くないので、あまり費用が上がることはないと思います。

 

さらに、通常クッションフロアは、家具などを置くとその部分にヘコミや傷がつきやすく、入退去の度に張替えが必要ケースが多くなります。また、基本的には1枚もの(幅180㎝前後)を敷くため、リフォームの際は全体の張替えが必要となります。

 

一方フロアタイルは、クッションフロアより固い素材でできており、ヘコミや傷がつきにくいため、入退去の度に張替える必要がないうえに一部分のみの張替えが可能ですので、後々の修繕コストも含めて考えると、結果的にはコスト増にならずに、部屋のデザイン性も格段に上げることが可能となります。

 

今では一般的になりつつありますが、筆者個人としては、すでに10年以上前から良く使っていた部材です。よほど長い年数入居していたり、部屋の資料が悪くない限りは、入退居の度に張替えが必要という経験はありませんので、家主さんもチャレンジしてみると良いと思います。

 

さらに加工しやすい部材のため、床のみならず、壁面やキッチンの装飾にも活用できるのも大きな特徴です。

本連載は、2015年8月25日刊行の書籍『「出口」から考える賃貸経営の収益改善計画』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

「出口」から考える 賃貸経営の収益改善計画

「出口」から考える 賃貸経営の収益改善計画

佐久川 靖行

カナリアコミュニケーションズ

今、お悩みの家主さんへ… 空室に困っていませんか? リフォームするかどうか迷っていませんか? 下がり続ける家賃に困惑していませんか? 人口減少時代、これからますます厳しくなる賃貸経営。しかし、考え方を変えること…

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