※画像はイメージです/PIXTA

相続税対策としてよく生前贈与が行われますが、生前贈与をするときは本当に税金対策として有効か十分な検討が必要です。また生前贈与であるにもかかわらず相続税が課税されるケースも。今回は「生前贈与で小規模宅地等の特例が使えなくなって損をしてしまう事例」について紹介していきます。

死亡前3年以内の贈与は小規模宅地等の特例の適用外

生前贈与から3年以内に贈与者が死亡した場合、その財産は相続税の対象になります。ただし、生前贈与された財産には小規模宅地等の特例は適用できません。小規模宅地等の特例の適用要件を満たす宅地については、生前贈与をしないで相続させる方が税負担は軽減できます。

 

・贈与から3年以内に死亡した場合:贈与時の評価額で相続税を計算。小規模宅地等の特例は適用できない。

・死亡したときに相続させる場合:死亡時の評価額で相続税を計算。小規模宅地等の特例は適用できる。

 

死亡前3年以内の贈与に対する相続税については、「生前に贈与した財産が、相続開始前3年内の贈与なら相続税に加算される?」を参照してください。配偶者控除など贈与税の非課税措置を適用した贈与や相続人以外への贈与については、死亡前3年以内であっても相続税の対象にはなりません。

 

死因贈与なら小規模宅地等の特例を適用できる

生前贈与をした宅地が相続税の対象になるときは、小規模宅地等の特例が適用できずに税負担が重くなります。一方、死因贈与をした宅地には小規模宅地等の特例が適用でき、税負担を軽減することができます。

 

死因贈与とは贈与する人が死亡したときに効力が発生するもので、贈与する人とされる人が契約することで成立します。生前贈与と死因贈与は生前に対策をしておくという点では共通していますが、贈与のタイミングを変えることで税制上の取り扱いが大きく変わることになります。

 

本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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