包括の担当はケアマネを格付けしている
■担当ケアマネに不満があるなら、まずは「包括」に相談
ケアマネを評価する目をもった人たちから話を聞くことで、担当ケアマネの仕事が水準に達しているのか、利用者・介護者が感じた不満は正当だったのかがわかります。客観的に見て、良いケアマネかダメなケアマネかが判明するわけです。「ただ、ダメなケアマネだったとしても、すぐに替えようとは思わないほうがいい」とベテランケアマネはいいます。
「不満があっても改善されないのは両者に行き違いがあるわけで、コミュニケーションがとれていないのが原因であることが多いんです。利用者・介護者に不満があることを知らずにいるケアマネもいますから。
だから、改めてケアマネと話をする時間をつくって、要望を伝えるのが先決です。それがきっかけで課題が改善され、良い仕事をするようになることもあるのです。そうしたこちらからの働きかけに、これといった反応がない場合は、包括の担当者に相談してみることです。
包括はケアマネを選定する立場ですから、不満があれば聞いて改善策を考える責務があります。当然、ケアマネにも相談があったことを伝える。ケアマネにしても、そういう話が包括にもちこまれること自体、不名誉なことですから、反省し、対応を改める可能性があるのです」
利用者・介護者サイドがそうした働きかけをして、しばらく様子を見ていても、対応や仕事ぶりは変わらず、不満が放置されたままだったら、ダメなケアマネ決定。あるいは両者の相性がよほど悪いのです。
人間関係というのは難しいもので、評判の良いケアマネも相性の悪い利用者・介護者に当たるとコミュニケーションがうまくとれず、満足のいく支援ができなくなることがあるとか。どこまでいっても考えや価値観、気持ちなどが交わらない人とは関係を解消したほうがいいわけで、別の人に担当を替わってもらう決断のしどころです。
ケアマネを替えるときの連絡先も包括です。包括の担当者は利用者・介護者とケアマネのあいだにどのような行き違いがあったのかや、要望の傾向を把握していますから、それに応えられるケアマネを新たな担当にするようです。ベテランケアマネはこうつづけます。
「我々にはうかがい知れないことですが、包括の担当者は、管轄内のケアマネをおおまかではありますが格付けしているんです。評価の高いケアマネは評判が耳に届いてきますし、逆にクレームが入ることが多いケアマネもいる。それを感覚的につかんでランク分けしているわけです。で、担当を替えてほしいといってきた利用者・介護者には前任者よりランクの高い、つまり評判の良いケアマネを担当にする傾向があります」
ケアマネを替える決断をするとき、これまでの人よりレベルが落ちたらどうしようという不安があるかもしれませんが、その心配はなさそうです。相性の問題はありますが、ケアマネを替えることは、プラスに働くことが多いのです。