ケアマネを中心とした利用者のネットワーク
■自力で相性のいいケアマネを探すメリットとは
ケアマネを替えるさい、人選を包括に頼らず、利用者・介護者がみずから選んだケアマネを新たな担当にすることも可能です。「人が好くて有能」という条件を備えたケアマネが見つかれば、その人が担当になってくれれば何の問題もないわけです。
その手段もあります。ケアマネの良し悪しの判断基準を聞いたときの「近所のオバちゃんルート」を活用するのです。そのルートで会った介護経験をもつ人を担当したケアマネが優秀だった場合は、その人を紹介してもらえばいいわけです。
また、長く介護をした人は、介護を通じた人脈をもっているもので、現在介護中の知り合いもいたりします。その担当ケアマネのなかから、評判のいい人が見つかることもあるのです。
うまくいけば、複数の次期ケアマネ候補者が現れ、そのなかから、相性の良さそうな人を選ぶこともできます。人間性はどうか、良いサービス事業者を確保しているか、わが家の事情をくんだ支援をしてくれるか……といった、さまざまな角度から検討して選べるわけです。
ケアマネも担当している利用者・介護者が新たな利用者を紹介してくれるのは、うれしいこと。担当する人数が35人枠いっぱいでない限り、二つ返事で引き受けてくれるはずです。あとは、そのことを包括に連絡すればいいのです。こうすれば、介護が始まるときの運任せのケアマネではなく、自分で選んだ、安心して任せることができるケアマネを担当にすることができるのです。
このようなかたちで担当になるケアマネは、介護を進めるうえでも利点があります。紹介がくり返されることで利用者同士が知り合い、ケアマネを中心とした利用者のネットワークができます。このネットワークを通して情報交換が密にできるため、励まし合いながら前向きに介護に取り組めるのです。
また、ケアマネも、この情報網があることによって、利用者の状態を把握しやすいメリットがあります。たとえば、このネットワークにいる利用者宅を訪問したとしましょう。そのとき、介護者から「○×さんのおばあちゃん、昨日の晩に熱を出したらしいわよ」と聞けば、すぐに様子を見に行くことができるわけです。
ダメなケアマネを替える後押しをしてくれるだけでなく、良いケアマネを見つけることや、つらい介護を明るくしてくれるネットワークに入ることもできる。近所のオバちゃんルートを活用した人脈づくりは大きなメリットがあるのです。