要旨
・圧倒的に多いのは「国内旅行」で過半数を占め、次いで、「外食」、「友人と会う」、「店舗でのショッピング」、「帰省・離れて暮らす家族と会う」と続く。なお、「海外旅行」は2割弱にとどまる。ワクチンパスポートの受付が始まるとはいえ、各国の状況は様々であり、まずは身近なところから外出型の消費行動を再開する消費者が多いようだ。
・属性別に見ても首位は「国内旅行」である。女性は男性を上回る項目が多く、期待感が強い。特に女性では「友人と会う」や「店舗でのショッピング」、「帰省・離れて暮らす家族と会う」、「舞台やコンサート、ライブ鑑賞」で高い。また、外出自粛傾向の強い高齢層でも全体を上回る項目が多く、期待感が強い。なお、若い年代では「外食」や「遊園地など屋外レジャー施設の利用」が高い。
・子育て世帯では「国内旅行」や「遊園地などの屋外レジャー施設の利用」が高く、我慢の多い生活の中で、ワクチン接種後は子どもを楽しませてあげたいという親の気持ちが見えるようだ。また、子ども(孫)が誕生した世帯や大学生のいる世帯で「帰省・離れて暮らす家族と会う」が高い。
・世帯年収別には1,000万円付近を中心に全体を上回る項目が目立ち、特に「海外旅行」は全体の2倍を占めて、消費意欲が旺盛な様子がうかがえる。ワクチン接種完了および完了間近な層、積極的な層では全体を上回る項目が多いものの、世帯年収別やライフステージ別ほど顕著ではないため、ワクチン接種後の消費行動は、経済的な余裕や子どもがいるなど家庭の環境による影響が大きいと見られる。
・自由記述の回答では、「カラオケ」や「ボランティア」、「自由に行動する」など、コロナ禍で自粛している外出行動の再開のほか、「変異株の懸念があるために様子見」との慎重な見方もあった。現在のワクチン接種が進むことで、感染不安が緩和され、消費行動は活発化していくと見られるが、それはどの程度の水準で、いつまで続くものなのか。継続的な調査を用いて引き続き注目していく予定だ。