(※画像はイメージです/PIXTA)

福祉の現場は綺麗事ではすまされません。私たちが考えがちな「義務感」や「正義感」などではなく、困難にある他者に手を差し伸べたいという「衝動」が、人を福祉に走らせる根源的な理由だといいます。このような「衝動」が必要だと山口周氏は語ります。※本連載は山口周著『ビジネスの未来』(プレジデント社)の一部を抜粋し、編集したものです。

自分の衝動に突き動かされる行動ができるか

一方、今日のビジネスの世界を顧みてみれば、新規事業の検討に際し、徹底して「数学的期待値」や「数量化された利得に数量化された確率をかけた加重平均」が意思決定の根拠として求められていることが思い出されます。しかも、一般にエリートと言われる、高い教育水準を受けている人ほど、この手のプロトコルに強く縛られてしまう傾向があります。これは社会資源の活用という観点から考えると恐ろしい機会費用です。

 

(※写真はイメージです/PIXTA)
(※写真はイメージです/PIXTA)

 

誤解のないようにしておきたいのですが、私はなにもこのようなスキルを否定しているわけではありません。真に問題なのは、本来は「主」であるはずの「人間性に根ざした衝動」が、本来は「従」であるはずの「合理性を検証するスキル」にハックされ、主従関係が逆転してしまっている、ということです。

 

「衝動という主人」が「スキルという家来」を使いこなすことで人類は進化させてきたわけですが、この関係が逆転して「スキルが主人になって衝動を圧殺する」状態になってしまっている、というのがいまの経済システムの問題です。この主従関係を再度、逆転して「衝動にシステムをリ・ハックさせる」ことが求められます。

 

この指摘を別の言葉で言い換えたのが、「Business as Art」ということになります。つまり、アーティストが衝動に突き動かされて作品の制作に取り掛かるように、私たちもまた自身の衝動に突き動かされるようにして各自の活動に携わろうということです。

 

山口周

ライプニッツ 代表

 

 

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す

山口 周

プレジデント社

ビジネスはその歴史的使命をすでに終えているのではないか? 21世紀を生きる私たちの課せられた仕事は、過去のノスタルジーに引きずられて終了しつつある「経済成長」というゲームに不毛な延命・蘇生措置を施すことではない…

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