「欲望が雪だるま式に膨らんで、自滅」
■欲に駆られるだけでは自滅する
「安心立命※」の境地はもっと重視されなければならない。どれだけ偉大な人であっても、安心立命がなかったらどうなるか。アクセルを踏みっぱなしでブレーキを知らず、求めるだけで満足せず、一を得れば二を欲し、二を得れば三を望むというふうに、欲望が雪だるま式に膨らんでしまう。
※安心立命・・・心を安らかにして天命に身を任せ、いかなる状態でも落ち着いた状態でいること
最終的に分不相応なことを考え出して、それが叶えられず、さんざん苦しんだ挙句、自滅してしまうといったこともある。
■腐敗は簡単に防げる
このあいだ発覚した海軍収賄事件のような大規模な罪悪。こういうのは、仮にも双方の悪い考えが一致しない限り、実現できないはずだ。
もし一方が賄賂を贈ってきたとしても、片方が「受け取れない」と言えばどうしようもない。また、腐敗した役人が遠回しに、あるいは露骨に「賄賂をよこせ」と言ったとしよう。
こんなケースでも、実業家が自分の良心に従って、面目や信用を大切にしようと思う人物なら、絶対にこんな要請には応じないはずだ。やむを得なければその取引を白紙にしてでも、罪悪には加担しないようにするだろう。