ケアマネの良し悪しを判断する基準とは
この判断をする前に必要なのが、ケアマネの良し悪しをジャッジする目をもつことです。ケアマネは、その仕事ぶりをほかのケアマネと比較対照して判定できる職種ではありません。「ここまでしてくれれば合格」という基準を、利用者・介護者はもつことができないのです。
担当ケアマネの仕事に不満を感じたとしても、それは利用者側の求めるレベルが高すぎるからかもしれない。そうだったら、そのケアマネは気の毒です。できるだけのことを精いっぱいしても、利用者側が勝手にハードルを上げて、不満に思っているわけですから。
もっとも大半の利用者・介護者は担当ケアマネの仕事ぶりが水準に達していなくても、文句もいわずに耐えています。それもこれも、良し悪しの基準がわからないからです。
ですから、担当ケアマネに不満をもったとしても、替えるかどうかの判断をする前に「ケアマネなら、ここまでしてくれて当たり前」という基準を知っておく必要があります。基準がわかれば、それより下ならダメなケアマネ、それより上なら良いケアマネと判定できるからです。
基準を知る方法は簡単です。ケアマネに接した経験をもつ人に「ウチを担当しているケアマネさんの対応に、私はこんな不満を感じているのですが、どう思われますか?」と聞いてみるのです。
「そんな対応をするのはケアマネ失格ですね」
「そこまでケアマネに求めるのは酷ですよ」
などと答えはさまざまでしょう。聞く相手によっても基準は異なるもの。しかし、数人に聞いてみることで、担当ケアマネが力を尽くしてくれているかどうかがわかってくるわけです。
※本連載に登場するケアマネの方々、サービス事業者の方々のお名前は、すべて仮名です。
相沢 光一
フリーライター