「任せて」はいけないケアマネの見分け方
ここまで記してきたように、「任せて」おいてはいけないケアマネもいます。利用者・介護者の対応しだいでは、良い仕事をしてくれるようになる人もいますが、それでも改善されないケアマネも残念ながら一定数いるのです。
ただ、ここにもひとつハードルがあります。「そういうケアマネが担当になったのだから、仕方がない」というあきらめの気持ちです。一度担当になったケアマネを替えることはできない、このままいくしかないと思いこんでいるからでしょう。
しかし、担当ケアマネを替えることはできます。「いまのケアマネに任せていたら、良い介護はできない」と判断したら、替える選択肢がある。だから、ケアマネのいうことに従うだけの受け身の姿勢をつづけていてはいけないのです。
■ケアマネの交替を決断する「境界線」とは
利用者・介護者が受け身の状態を脱するのは、そう難しいことではありません。いま受けている介護サービスが、利用者である親御さんの心身の状態の改善につながっているか、介護者である自分の負担軽減に役立っているかを考えるのです。
ケアマネに任せっきりの受け身の姿勢でいるときは、そんな当たり前のことさえあまり考えないものです。なぜならば、思考停止に近い状態だからです。
こうした検証をすることで、受け身ではなく主体的に、いま提供されているサービスを考えるようになります。そして、そのサービスに改善の効果が感じられなかったら、ケアマネがモニタリングで来たときなどに、ケアプランに組みこんでいる理由を聞いてみるのです。
この質問を真摯に受けとめ、利用者・介護者と相談しながらケアプランの見直しを考えるケアマネもいれば、質問には応じるものの、要望を受けつけないケアマネもいます。つまり、受け身から脱し、主体的に介護を考えることで、担当ケアマネの良し悪しが見えてくるのです。
とはいえ、これだけで良いケアマネかダメなケアマネかを判断することはできません。利用者・介護者の対応や介護に向かう姿勢などによって、良いケアマネがダメになることもあるし、ダメなケアマネが良い仕事をするようになることもあるのですから。
ケアマネに好感をもたれるような対応をしたうえで、それでもダメな場合は替えることも視野に入ってきます。