(※写真はイメージです/PIXTA)

コロナ禍で大波乱となった2020年の世界の株式市場。そのような状況のなか、ノルウェー銀行投資管理部門(NBIM)が運用しているファンド「ノルウェー政府年金基金グローバル」は、10.9%ものリターンをあげたとされています。本記事では、その実態に迫ります。

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政府年金基金の運用残高は、25年間で5500倍に拡大

駐日ノルウェー大使館によると、ノルウェー政府が北海油田から得る石油収入の長期運用のための財政手段として、1990年にファンドが設立され、国民のために財務省が所有し、財務省に代わってNBIMが運用している。

 

2006年に「政府年金基金グローバル」と改名されるまで、「石油基金」と呼ばれていた。改名は、将来予想される公的年金コストの増加に備えて政府収入を貯蓄するという役割を反映したものだが、基金には公式の年金債務はなく、将来の年金コストを賄うために、いつ基金を使うかについての政治的決断もまだなされていない。

 

ノルウェー銀行投資管理部門(NBIM)は、株式、債券(国債・社債など公社債)、不動産、再生可能エネルギーなどのインフラといった分野に、73ヵ国、9123社へ投資している。アップル、ネスレ、マイクロソフト、サムスンなど国際的な大手企業へ投資し、平均して世界の全上場企業株式の1.4%を保有している。

 

2020年末時点のポートフォリオの市場価値は72ヵ国で合計10兆9137億6806万1832クローネ(約130兆円)に上った。株式が7兆9454億7452万0317クローネ(69ヵ国、9123社)と全体の72.8%を占めた。債券が2兆6951億8435万6458クローネ(45ヵ国、1245本)と24.7%、不動産は2731億918万5057クローネ(14ヵ国、867物件)と2.5%だった。

 

ノルウェー銀行投資管理部門(NBIM)は、政府年金基金のほか、外貨準備を運用している。世界中に分散投資しており、日本も資産運用の対象となっている。

 

当時の財務相シグビョルン・ジョンセン氏が1996年5月30日に初めて政府資金20億クローネを「石油基金」へ移管して以来、25周年となる2021年には運用残高が約11兆クローネに達している。

 

スヴェイン・ジェドレム元総裁は2021年5月31日、25周年記念のウェビナーで設立の経緯、財政ルール、ノルウェー経済への意義などを説明した。

 

投資対象企業の監視・除外指針には、基本的人道主義に反する兵器(クラスター爆弾や核兵器など)を製造している企業には投資しないと定められている。倫理委員会が、各企業への投資が指針に沿っているか評価を行ない、委員会の勧告に基づき、財務省は基金の投資対象からの企業の除外に関する決定を行う。

 

当初は「石油基金」として始まったにもかかわらず、近年は石油・ガス関連株を投資先から外す方針を打ち出すなど、持続可能な社会を目指し、ESG(環境・社会・企業統治)投資でも存在感を高めている。

 

髙橋 文行

池田 祐美 

くにうみAI証券株式会社

オルタナティブ・インベストメントプロダクト部

 

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※本記事は、「くにうみAI証券株式会社」に掲載されたコラムを転載・再編集したものです。

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