情報の背後にある「利害関係」にも目配りを
●情報を鵜呑みにしてはいけない
上述したような情報収集をするにあたって注意してほしいことを解説します。それは「情報は大事だが、簡単に鵜呑みにしてはいけない」ということです。
まとめサイトを見たり、フランチャイズフェアに行って情報を集めることは大切です。ぜひやってみてください。けれど、まとめサイトにも、フランチャイズフェアにも、利害関係というものがあります。
一番わかりやすいのは、先ほど書いた「フランチャイズツアーに行くとクオカードがもらえる」という例です。なぜただ話を聞きに行くだけでお金をもらえるのかといえば、そうやって集客をすることで儲けることができるからに他なりません。
どうやって儲けるのかといえば、ツアーに来た人の何人かが契約をして加盟金を納めることによって、です。
●本当にニュートラルな立場からの情報は少ない
フランチャイズ本部は、加盟店からの加盟金・ロイヤリティで稼ぐのがビジネスモデル。まとめサイトにせよ、フランチャイズフェアにせよ、それはあくまで「集客のための広告」です。
もちろん、本部が嘘ばかりついているというわけではありません。しかし何か広告を出すときに「うちの商品は他社の商品に比べてこんな弱点がありますよ」などという会社はありませんよね。
例えばまとめサイトやメルマガには「ニュートラルな立場から紹介している」と書いてありますが、なかなかそうはいきません。まとめサイトやツアー主催者からすれば、フランチャイズ本部は「広告主」であり、クライアントです。ニュートラルな立場から、オーナー側の視点で情報をくれるというのは構造的に難しいのです。
また、おすすめのフランチャイズランキングのようなものを見かけることがありますが、あまり言いたくありませんが、信頼度にはクエスチョンマークがつきます。
●自分の頭を使って判断をすることが大切
こんな風に聞くと、そんなまとめサイトやフェアを見ても、ただ騙されるだけでマイナスなのではないかと思われるかもしれませんが、そうではありません。まとめサイトにしてもフランチャイズフェアにしても、数多くのフランチャイズ本部と接点を作れるという観点からは有益なのです。
重要なのは、そういったメディアから情報は手に入れるが判断は自分でする、ということです。
フランチャイズ本部を選定するにあたって考えるべき項目は後程詳しく書きますが、ざっくりと店舗数、業歴、業容、黒字比率、出店数と閉店数の推移などを見ます。まとめサイトなどに掲載してある情報もあれば、フェアなどで実際に本部の人にヒアリングすべきものもあります。そうやって情報を集めた上で、客観的に何%うまくいってるかというのを確認し、自分の判断に役立てるのです。
このような情報を手に入れるのは合理的な判断をする上で必ず必要ですから、まとめサイトやフェアは利用しなければなりません。
ただそこに掲載されている内容をすべて鵜呑みにして契約してしまうというのは、判断までもメディアにコントロールされているということ。あくまでもメディアは情報を集めるための手段であり、そこから自分の頭を使って判断をすることが大切です。
古川 暁
ロータス・インターナショナル株式会社 代表取締役
公益社団法人日本証券アナリスト協会 検定会員
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