(※写真はイメージです/PIXTA)

「人生100年時代」といわれています。60歳になれば定年が待っています。いざ定年が訪れると不安が押し寄せます。定年後の3大不安は「お金」「健康」「生きがい」といわれています。この3つは別々な問題に見えて、じつは連動しています。どのように対処したらいいのでしょうか。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

老後不安「健康」「お金」「生きがい」は連動している

内閣府の『高齢者白書』によれば、「孤独死を身近に感じている高齢者の割合は44.5%」だとか。近年は社会とのつながり、血縁・近隣とのつながりがどんどん希薄になっています。他者との関わりを面倒だと感じる高齢者が増えているからでしょうか。

 

定年後は、ますます社会とのつながりが少なくなります。自分から積極的に接点をつくっていく必要があると思います。

 

それが幸せで健康的な老後生活を送る大事なカギになるのですから。

 

いざ定年になると不安が押し寄せるという。(※写真はイメージです/PIXTA)
いざ定年になると不安が押し寄せるという。(※写真はイメージです/PIXTA)

 

 

■老後を充実させる「お金の使い方」とは


 
60歳になれば、定年が待っています。会社員には必ず訪れるものだとわかっていても、いざ定年になると不安が押し寄せます。会社に勤めることが家族を守ることとイコールだった人は、急に目標を失った気分になるかもしれません。

 

こうした不安は「健康」「お金」「生きがい」といったあたりに集約されるでしょう。この3つは別々な問題に見えて、じつは連動しています。

 

生きがいが見つかれば、生活にハリが出ます。すると、精神的に安定するため、健康になります。ひいては、医療や介護に余分なお金を使う心配がなくなるわけです。

 

とはいっても、生きがいなんてものは、そう簡単に見つかりませんよね。自分は何をすべきかと悩むあまり、うつになっては困ります。

 

そんなに気負いすぎず、すこし肩の力を抜いてみましょう。いままでとは生活が変わりますので、とりあえず新しい人間関係をつくることがおすすめだと考えます。

 

会社員だったころの人脈は、利害関係がなくなると想像以上に疎遠になります。仕事関係しか飲み友だちや話し相手がいなかった人は、たちまち孤独になってしまいます。

 

地域のイベントやお祭り、コミュニティに参加するのもいいでしょう。きっかけは、いろいろなところにあると思います。

 

筆者の場合は、自宅のリフォームをきっかけにしようと考えました。

 

リフォームの準備や工事はとても面倒ですし、お金もかかります。でも、リフォームが終わると同時に、完成のお披露目と称して友人たちを招いたホームパーティを計画しています。さらに、これを皮切りに、年に何度かホームパーティを開くつもりです。

 

夫婦それぞれの友人を招待すれば、新たな出会いがあります。夫婦で共通の友人もできるでしょう。友人から、そのまた友人へとつながりが生まれるかもしれません。そうして、交流の輪も広がっていくのではないかと期待しています。

 

欧米ではホームパーティが当たり前の習慣ですが、日本ではひじょうに機会がすくないと思います。これは、いくつかの理由が考えられます。

 

たとえば、フランスなどではテイクアウトは消費税が安く、店内で食事をすると消費税が高く設定されています。だったら、ホームパーティを開こうじゃないか、となるわけです。ちなみに、2019年に日本で、消費税10%アップにともない導入を予定している軽減税率も、同じシステムです。

 

また、夫は会社(仕事)関係のつながりが強く、妻は子どもや学校といった地域のつながりが多い。こんな具合に、2人でコミュニティを共有していない家庭が一般的です。したがって、共通の友人はできにくいといえます。

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老後資金は貯めるな!

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