金融機関からの融資は「最大の味方」
金融機関からの融資は、不動産投資を行う方にとって最大の味方です。中には十分な自己資金があり、「融資を受けなくても大丈夫」という方もいらっしゃるかもしれません。「お金を借りるのは怖いから」と融資に消極的になり、不動産投資をあきらめている方もいらっしゃるでしょう。
しかし筆者は、不動産投資を行うなら、絶対に融資を受けるべきだと考えています。融資を活用することで、収益を大幅に上げることができるからです。
ROIという指標があります。ROIが指すのは、「自己資金投下に対する資金回収率」です。ROIが高いほど早期に自己資金を回収し、黒字を膨らませることができます。
このROIは、自己資金が少ないほど高くなります。自己資金を多く投入したからといって、家賃収入が増えるわけではありません。以下の例を見てみましょう。
●物件価格1000万円(+イニシャルコスト100万円)
●家賃収入(1ヶ月あたり)10万円
●ランニングコスト(1ヶ月あたり)1万8000円
この物件を自己資金200万円+借入額900万円(30年返済、金利3%)で購入し、月々の返済額は3万7944円。ROIは26.4%です。
融資を受けることで不動産投資の効率は高まる
では、同様の条件で自己資金が500万円あったらどうでしょうか。まず、(物件価格1000万円+諸経費100万円-自己資金500万円)で借入額は600万円になり、月々の返済額は2万5296円となります。借入額、返済額が減るので、一見負担が少ないと感じるでしょう。
しかし、問題はROIです。
この場合、月々の家賃収入10万円-(返済額2万5296円+ランニングコスト1万8000円)でキャッシュフローは5万6704円。年間キャッシュフローは68万448円となり、ROIは、年間キャッシュフロー68万448円÷自己資金500万円=13.6%となります。自己資金が多いほど、回収率が悪くなることがお分かりいただけるでしょう。
自己資金を回収するまでの期間が短いほど、蓄えも膨らみます。するとスムーズに次の物件を購入できるようになり、不動産投資を効率化することができるのです。もちろん、自己資金がゼロであればROIは高くなります。それでも条件を満たせば融資を受けることはできますから、不動産投資の効率はじょじょに高まっていくというわけです。