孤独が「おひとりさま」として受け入れられる社会
チマタには“孤独”な人があふれています。日本における孤独は、「おひとりさま」や「ひとりぼっち」として受け入れられるものであり、否定されるものではなかったからです。それどころか美化される風潮さえあります。
[図表]は、国際機関OECD加盟の21カ国における男性の孤独度調査結果(2005年)を示しています。
隣近所、職場内やスポーツ・娯楽・趣味の集まりなどの社会集団の中で、人とほとんど、またはまったく一緒の時間を過ごさない成人男性の割合は、日本男性が断トツの1位で、17パーセントです。これは、OECD加盟国平均の約3倍で、約1パーセントのスウェーデン、約4パーセントの米国やドイツをはじめ、他国がすべて10パーセント未満のなかで、「人付き合いがない」比率が際立って高いのです。
女性の孤独度も調査されており、日本女性は、メキシコに次ぐ2位の14パーセントとなっています。ただし、日本の男女のこうした「人付き合いがない」状態には明らかな性差があります。
日本の男性は「世界で一番孤独」!?
内閣府は、60歳以上の高齢者男女の親しい友人の保有率を、日本、米国、ドイツ、スウェーデンの4カ国で比較調査しました(2015年)。
その結果、日本以外の他の3カ国の男女では、「同性・異性の両方の友人がいる人」が40パーセント以上であるにもかかわらず、日本男性は約20パーセント、女性は約10パーセントという結果になりました。日本女性は友人の大半が同性で、他国の女性より際立って「同性・異性の両方の友人がいる」割合が少なく、男性では、「友人がいない」比率が他国の約2倍でした。
さらに、孤独に関する性差を「独り身生活者の会話頻度」で調べると、会話が2週間に1回以下という頻度は、独り身の女性は5.2パーセントでしたが、独り身の男性の場合、その3倍近い15パーセントという高い水準でした(国立社会保障・人口問題研究所、2018年)。
男性の方が、会話頻度が少なく、社会集団の中で独り取り残されている度合いが強いのです。
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