(※写真はイメージです/PIXTA)

「人生100年時代」といわれています。定年後の避けては通れない課題は「お金」で、3000万円不足するなどといわれていますが、実際のところはピンとこない人も多いことでしょう。60代は退職金や確定拠出年金の受け取り金、養老保険の満期金など、一時的にまとまったお金ができる時期です。あなたの将来を左右する大切な老後資金を失ってしまうケースもあります。本連載は長尾義弘著『老後資金は貯めるな!』(河出書房新社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

60代の起業で成功する人は多くない

●金融詐欺

 

海外不動産、FX(外国為替証拠金取引)、海外コイン投資、ワイン投資……世の中には、さまざまな金融商品があふれています。しかし、これらは株式以上にリスクがあります。そのうえ、金融詐欺もあるので注意が必要です。未公開株式やいろいろなファンドなど、あの手この手で誘いをかけてきます。とくに、「うまい話」にはご用心。金融商品に、うまい儲け話はありません。必ずリスクがともないます。

 

くれぐれも「自分だけは大丈夫」と過信しないようにしましょう。うまい話には裏があると、疑ってかかったほうが安全です。

 

経験がないまま老後資金をつぎ込むのは、リスクが高すぎるという。(※画像はイメージです/PIXTA)
経験がないまま老後資金をつぎ込むのは、リスクが高すぎるという。(※画像はイメージです/PIXTA)

 

●起業

 

起業するといえば20代や30代の人たちだと思いがちですが、じつは60代から起業する人が最も多いのです。長年、会社で培ってきたキャリアや人脈を活かしたい、やりたかった夢を実現したいと考えるのでしょう。ですが、成功する人は多くありません。

 

起業のためには元手となる資金が必要です。大切な老後資金を使い、それがうまくいかなかったら、あとには悲惨な状況が待っています。老後資金を失うばかりか、借金まで背負うハメにもなりかねないのです。ラーメン屋やそば屋など店舗が必要な起業は、とくに多額の資金がかかる傾向があります。

 

起業することが悪いとはいいません。しかし、綿密な準備をおこなったうえで、ある程度の老後資金は確保しながら始めるようにしましょう。

 

●世界一周クルーズ、自費出版など

 

働いている間はなかなか長期の休みが取れませんが、定年後は時間ができます。退職金も入り、世界一周の豪華クルーズの旅へ出かけることも夢ではありません。

 

頑張ってきた自分へのご褒美と考えるのか、このツアーはけっこう人気がありますが、費用は1人当たり200万円くらいかかります。夫婦で参加すれば、いっぺんに400万円が消えてなくなります。

 

また、これまでの記念として、400万~600万円をかけて自費出版をするケースもあります。

 

あるいは、暇をもてあまして、ギャンブルにはまったり、風俗店に通いつめるという話も聞きます。

 

夢を追うのもレジャーを楽しむのもけっこうですが、現実の生活が苦しくなっては元も子もありません。老後資金は、これから先の生活を支えるお金です。後先を考えずに、パッと使っていいものではないのです。使う前によく考え、家族とも相談しましょう。

 

次ページ退職金制度のある企業は、全体の75.5%
老後資金は貯めるな!

老後資金は貯めるな!

長尾 義弘

河出書房新社

「老後資金、1億円は必要?」「年金はあてにできない!」などと、老後資金について、誤解をしている人は多いようです。 老後資金を「これだけ貯めた!」は重要ではありません。「人生100年時代」に肝心なのは、「お金が毎月い…

定年の教科書 お金 健康 生きがい

定年の教科書 お金 健康 生きがい

長尾 義弘 福岡 武彦

河出書房新社

「人生100年時代」といわれています。22歳から65歳まで現役で働いていた時間よりも、定年後の時間のほうが長いのです。第二の人生を余生などと思っていると、大変なことになります。 この長い時間を生きるのに、年金だけの「…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録