60代の起業で成功する人は多くない
●金融詐欺
海外不動産、FX(外国為替証拠金取引)、海外コイン投資、ワイン投資……世の中には、さまざまな金融商品があふれています。しかし、これらは株式以上にリスクがあります。そのうえ、金融詐欺もあるので注意が必要です。未公開株式やいろいろなファンドなど、あの手この手で誘いをかけてきます。とくに、「うまい話」にはご用心。金融商品に、うまい儲け話はありません。必ずリスクがともないます。
くれぐれも「自分だけは大丈夫」と過信しないようにしましょう。うまい話には裏があると、疑ってかかったほうが安全です。
●起業
起業するといえば20代や30代の人たちだと思いがちですが、じつは60代から起業する人が最も多いのです。長年、会社で培ってきたキャリアや人脈を活かしたい、やりたかった夢を実現したいと考えるのでしょう。ですが、成功する人は多くありません。
起業のためには元手となる資金が必要です。大切な老後資金を使い、それがうまくいかなかったら、あとには悲惨な状況が待っています。老後資金を失うばかりか、借金まで背負うハメにもなりかねないのです。ラーメン屋やそば屋など店舗が必要な起業は、とくに多額の資金がかかる傾向があります。
起業することが悪いとはいいません。しかし、綿密な準備をおこなったうえで、ある程度の老後資金は確保しながら始めるようにしましょう。
●世界一周クルーズ、自費出版など
働いている間はなかなか長期の休みが取れませんが、定年後は時間ができます。退職金も入り、世界一周の豪華クルーズの旅へ出かけることも夢ではありません。
頑張ってきた自分へのご褒美と考えるのか、このツアーはけっこう人気がありますが、費用は1人当たり200万円くらいかかります。夫婦で参加すれば、いっぺんに400万円が消えてなくなります。
また、これまでの記念として、400万~600万円をかけて自費出版をするケースもあります。
あるいは、暇をもてあまして、ギャンブルにはまったり、風俗店に通いつめるという話も聞きます。
夢を追うのもレジャーを楽しむのもけっこうですが、現実の生活が苦しくなっては元も子もありません。老後資金は、これから先の生活を支えるお金です。後先を考えずに、パッと使っていいものではないのです。使う前によく考え、家族とも相談しましょう。