本記事では、ファイナンシャルプランナーオフィスのLive to Relief(ライヴトゥリリーフ)株式会社代表取締役・笹村敏夫氏が、これまでの経験を基に「素直な性格の人ほど、売れる」理由ついて解説します。
「成績がいい」営業マンには、「素直な人」が多い意外な理由 (写真はイメージです/PIXTA)

成功への近道はマニュアルを「そのまま実践」すること

私はこれまで、何百人もの営業マンを指導してきましたが、その経験から断言できるのは、「素直な性格の人ほど、売れる」ということです。

 

マニュアルに関しても、「ここに書いてあることはすべてやってほしい」と言われ、素直にそれを一から十まで徹底的になぞる人のほうが、機転を利かせて自己流にアレンジする人よりも、圧倒的に早く成長していきます。

 

マニュアルに書いてある内容を、そのまま実践すればいいだけなのですから、本来なら難しいことなど何もありません。特殊な才能や高い営業技術がなくとも、ひたすらマニュアルに忠実に仕事をしていけば、それだけで成績は一定以上の水準に達するはずです。

 

逆にいえば、マニュアルとはそのために存在しています。ただし、マニュアルをすべて暗記しても、初回の営業から完璧な成果が出るわけではありません。そこに書いてあることが身体に染みこみ、自然にこなせるようになってから、成績につながっていきます。

 

ですから、まずは徹底してやり続けることです。「できそう」と感じたものは、最初は結果が出なくとも、辞めてはいけません。

 

私が「5回の法則」と呼んでいる経験則があります。新しい営業手法や、新商品の営業など、初めて試すことは、どんなに完璧にマニュアルを暗記していても、5回はうまく行かないもの。手ごたえを感じるのは、6回目以降です。

 

ですから私は、できる限り早く5回のトライアルを済ませるように心がけています。最初うまくいかずとも、「5回の法則」を思い出し、ひとまず6回続けてみてください。

 

マニュアルを読み、「できなさそう」と感じたものは、5回、10回とこなしてもなかなか結果につながりづらいでしょうが、それでも実行しなければなりません。克服のコツとしてはまず自分の苦手意識を少しでも軽くするため、こなすべき理由を徹底的に掘り下げていきます。苦手という感情を、理論で上書きするのです。

 

指導者に対して「これを伝えたら相手が気分を害する気がするのですが……」「こんな言い方をすると嫌われてしまうと思うのですが……」「もっと効率的なやり方があると思ってしまうのですがどうしてここまでやるのですか?」「どうしても腑に落ちないのですが……」などと、思ったことをぶつけて納得していくのが近道です。

 

思った事もぶつけずに納得しないまま、嫌々続けても相手には伝わりません。そして、さすがにマニュアルに書いてあるあらゆることを、最初から全部説明してくれるような人はいません。

 

また、やってみて初めて腹落ちする部分もあるでしょう。指導者に問いかけるのは、あくまで「できなさそう」「やりづらい」ところのみにしたほうが、自分としても効率的に必要な力を身につけていけます。

 

 

笹村 敏夫

Live to Relief株式会社

代表取締役

 

<この連載の第1回記事はコチラから>