年収1000万円以上を稼ぐ営業マンの「理論」と「感情」の使い方
年収1000万円以上を稼ぐ営業マンの営業トークで、100%入っている二つの要素が、「理論」と「感情」です。
理論とは、いわゆる損得勘定のパートで、「今、買えば10年後にはこれくらいの利益が見込めます」「この商品だとこれくらいの保障額がつきます」といったお金(数字)にまつわる話が主となります。多くのお客さまは、得する話や具体的なメリットについて興味がありますから、ここをあいまいにせず、論理的に説明する必要があります。
感情は、心に訴えかけるパートです。「これがあればXXできる」「これがあればXXしないで済む」というように、購入後のイメージをもってもらうために、話をします。
多くの営業マンは、理論のパートをしっかりと話すことに意識を取られるあまりか、感情パートが薄くなりがちですが、実は理論よりも感情のパートに重きを置いた構成のほうが、より契約につながりやすいです。
人は結局、最後は理論より感情で買う。これが私の、ゆるがぬ結論です。私の感覚だと、お客さまへの影響は「理論2割、感情8割」であり、したがって8割は感情を動かすパートに費やしてもいいと考えています。
ポイントとなるのは、話す順番です。お客さまにとって最も気になる点であろうお金(数字)の話、すなわち理論は、最初に伝えておきます。
ここが明確になっていないと、お客さまは「結局いくらかかるのだろう」と気持ちが落ち着かず、将来の話をしてもなかなか心に響きません。また、冒頭からいきなり感情パートを持ち出しても、そんなに急には話に入り込めないものです。
したがって、まずは理論パートから入り、感情パートへと移っていくというのがスムーズな流れといえます。
生命保険を例にとって、説明したいと思います。架空のペルソナとして、30代の両親とお子さまの3人家族、お子様の年齢は7歳というケースとします。
まずは、お客さまに対するヒアリングをもとに、万が一の事態が起きた際、その後も望むような生活をしていくにはどのくらいお金が必要になるか、明確に示します。
そこで、「世帯主が死亡した際の保障金額が5000万円の商品が最適」という結論に至ったとして、その理論だけでクロージングに入ってはいけません。理論パートを一通り終え、納得を得られてからが、本当の勝負です。
「ご主人が亡くなってしまうと、朝から晩まで働き疲れているお母さんを見てお子さまはきっと、今一生懸命やっているサッカーをあきらめてしまうかもしれません。
高校卒業後も、家にお金を入れるため、すぐに働くという選択をして、将来の夢であるJリーガーへの道も途絶えてしまうかもしれません。
しかしこの5000万円があれば、夢をあきらめる必要はありません。サッカーも続けられ、高校、大学と、自分の夢をかなえられる学校に進学できます。
遺された奥さまも天国のご主人も安心してお子さまの成長を見守ることができます」。
このように、実感がわきやすい例え話をして、感情に訴えていきます。
ここでどんな話を選ぶのかが、営業マンの腕の見せ所です。ぶっつけ本番で臨んでも、そう簡単にはいきませんから、お客さまからヒアリングした内容をもとにいくつかのストーリーを用意し、事前に何度もロールプレイングをしておくべきです。
感情に訴えかけるのは、結局のところお客さまのなかに「今まで気づかなかった、新たなニーズを創出する」ということに他なりません。感情パートをしっかりと展開すれば、商品やサービスに対するお客さまのニーズが膨らみ、その分だけ契約に近づいていくのです。お客さまが欲しいのは商品を通しての未来なのです。